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W-ANS ACADEMY「部活動キャラバン」初開催 バレー荒木絵里香さんが女子高生に伝えた人生設計の大切さ
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2024.10.31
キャリア
10月4日に宇都宮文星女子高バレー部を対象に実施
スポーツを楽しむすべての女性を応援するメディア「W-ANS ACADEMY」は、競技に全力で取り組む学生を応援する新たなイベント「W-ANS ACADEMY 部活動キャラバン」を10月4日に初開催しました。記念すべき第1回のゲストは、元バレーボール女子日本代表の荒木絵里香さん。今年度の全国高校総体(インターハイ)栃木県予選で準優勝、現在は春高バレー出場を目指して日々トレーニングを積む宇都宮文星女子高(栃木県)を訪問し、バレー部員に自身の現役時代の経験を語るとともに、部活動で直接指導を行いました。
◇ ◇ ◇
スポーツに熱心に取り組み、目標へ向かって日々努力を続ける女子学生アスリートを応援するために、新たに立ち上がったイベント「W-ANS ACADEMY 部活動キャラバン」。今回は荒木さんが代表理事を務め、女性アスリートの競技活動とライフイベントの両立を目指して事業展開を行う、一般社団法人MANとタッグを組んでの開催となりました。
イベント第1部は、荒木さんとMAN事務局の久保陽子さんによるトークセッションからスタート。「自分の将来・人生を考えよう」をテーマに、荒木さんの学生時代の話から、バレーボール選手としての目標をいかに叶えたか、そして結婚や子育てと競技の両立についてじっくり語りました。
トークセッション後、学生たちはMANが提唱する「人生設計プログラム」にチャレンジします。これは、自分の「未来年表」を作成し、約20年先までの人生や行動プランを考えるワーク。荒木さんも自身が作成した年表を披露し、「(その夢や目標が)叶う・叶わないは関係なく、思いついたことをどんどん書いてみて!」とアドバイス。学生たちは真剣な様子で年表の作成に取り組みました。
ワークショップの後は、参加者からの質疑応答の時間へ。「観客に見られると体が動かなくなる」という学生に、荒木さんは「普段できていることが何でできないのってなりますよね」と共感。「私は現役時代、緊張するとあえて全身にギューッと力を入れて、はぁ~と力を抜く、という方法を取り入れていました。自分から力を入れると、自然に体の力が抜けるんですよ」とアドバイス。「でも緊張するのは、成果を発揮したい、頑張りたいという思いがあるから。緊張は悪いことではない。気持ちを込めてプレーすることは大事だと思い、ポジティブに捉えて!」と言葉を続けました。
最初は緊張から、なかなか質問をぶつけられなかった学生も、荒木さんの笑いを交えた丁寧な回答を聞くうちにリラックスした様子に。「日本リーグと海外リーグの違いは?」「ブロックの時に意識することは?」など、様々な質問が飛び出しました。
荒木さんが部活動指導で選手一人ひとりにかけた言葉
続く第2部では、体育館のメインアリーナへ移動し、荒木さんが60分間にわたって部活動を指導しました。春高バレー予選を控える学生たちの熱の入った練習の様子をしばらく見た後、全員を集めて声をかけます。
「みんな、声がすごく出ていて、いい。でも、ただ声を出すのではなく、一言、一言、意味を持たせて仲間に声をかけること。そして、一つのプレーが終わったら、次の行動に素早く移ることを意識して。声かけや行動の一つひとつを変えるだけで練習の質はグンと上がるよ」と指導。その後も、一人ひとりに声をかけながら、練習を見守りました。
練習の最後に、再び全員を集めた荒木さん。「今回、皆さんに伝えたことは今日からできることなので、実践してほしい。私も春高バレーの解説で現地に行くので、再会することを楽しみにしています」と予選に臨むチームへエールを送りました。
指導を受けたキャプテンの横田真央さんは、「テレビで見る大選手に練習を見てもらい、アドバイスを頂いたことで身が引き締まりました。チームにとっていい1日になり、本当に感謝しています」と充実した時間を過ごせたようで、「荒木さんのアドバイスをもとに予選突破に向けて頑張ります」と笑顔で答えました。
また、第1部のトークセッションの内容を踏まえて、2年生の阿部七海さんが「練習中、荒木さんにブロックについてのアドバイスを頂けました。また、自分の将来に向き合うことは、不安や怖さもあり、いつも逃げたい気持ちになります。でも、今日、改めて将来について考えることができ、すごく良かったです」と感想を述べれば、大学進学後もバレーボールを続けるというエースの石崎桃恋さんは「人生プランのトークセッションのなかで荒木さんが英語を頑張りたいという話をしていましたが、自分も今英語を頑張っています。語学を学ぶ大切さを実感できたし、とても学びになりました」と、今後に向けて大きな刺激を受けたようです。
イベント終了後、「全国出場を狙うレベルの学生を見ることは滅多になく、私自身にとっても良い学びになりました」と語った荒木さん。「練習では1時間しかないなかで、『自分は何を伝えられるのか?』を考えながら見ていましたが、最後のほうはみんなが積極的にプレーに対する疑問を質問してくれたので、それぞれの選手にアドバイスできました」と限られた時間の中での交流を振り返りました。
そして、学生たちの熱心に話を聞く姿勢に胸を打たれており、「今日はスポーツを通して人生を豊かにしていこう、人生の選択肢を多く持ち、自分自身で人生を決めていこう、という部分を伝えたかった。貴重な時間を一緒に過ごせて、すごく楽しかったです」と、今回の部活動キャラバンは荒木さんにとっても有意義な時間になったようです。
(W-ANS ACADEMY編集部)
Araki Erika
荒木 絵里香
バレーボール
1984年8月3日生まれ。岡山県出身。小学5年生からバレーボールを始める。成徳学園高(現・下北沢成徳高)では高校全国3冠を達成。卒業後の2003年にVリーグ・東レアローズに入団。1年目に日本代表デビューすると、2008年北京五輪に出場(5位)、2012年ロンドン五輪は主将として女子28年ぶりの銅メダル獲得に貢献。2013年に元ラグビー日本代表の四宮洋平さんと結婚し、出産を経て2014年に復帰した。2016年リオデジャネイロ五輪(5位)に続き、4大会連続出場した2021年東京五輪(予選リーグ敗退)を最後に現役引退。引退後はトヨタ車体クインシーズのチームコーディネーター、バレーボール解説者などを務めながら、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科で知見を深め2023年3月に卒業。
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