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陸上・田中希実選手も「勉強になった」 女性アスリートの食事と栄養を学ぶ「W-ANS ACADEMY」イベント開催

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陸上・田中希実選手も「勉強になった」 女性アスリートの食事と栄養を学ぶ「W-ANS ACADEMY」イベント開催

著者:W-ANS ACADEMY編集部

2024.12.10

食事

左からMCの伊藤華英さん、ゲストの田中希実選手、講師の橋本玲子さん【写真:荒川祐史】
左からMCの伊藤華英さん、ゲストの田中希実選手、講師の橋本玲子さん【写真:荒川祐史】

「女性アスリートのコンディショニング(食事と栄養)」をテーマにしたイベントを開催

 スポーツを楽しむすべての女性を応援するメディア「W-ANS ACADEMY」は、11月23日に「女性アスリートのコンディショニング(食事と栄養)」をテーマにしたオンラインイベントを開催しました。この日のゲストは陸上女子中長距離の田中希実選手(New Balance)。シーズン中は海外のホテルに滞在することが多いという田中選手を交え、女子アスリートの食事とコンディショニングについて出演者が大いに語り合いました。

 ◇ ◇ ◇

 毎回、スポーツをする女性たちの抱える悩みや課題をテーマに、新旧のトップアスリートや専門家とともに知識を深めていく、W-ANS ACADEMYのオンラインイベント。今回のテーマは「女性アスリートのコンディショニング(食事と栄養)」。ゲストアスリートに2021年東京大会、24年パリ大会と2大会連続で五輪に出場した、陸上女子中長距離の田中希実選手を招き、MCの元競泳日本代表・伊藤華英さん、公認スポーツ栄養士の橋本玲子さんとともに、食事の基礎から体重・体調管理、そして試合で力を発揮するための食事法まで、様々なトピックスについて話を展開しました。

 大会出場のため、シーズン中は海外で過ごす期間のほうが長いという田中選手。普段の食事は、滞在先のホテルで提供されるビュッフェ料理が中心だといいます。毎日の食事で意識しているのはズバリ、栄養バランス。「エネルギーが必要な練習前の朝食は炭水化物とタンパク質がメイン。それだけでは繊維質が足りないので、サラダや果物も意識して食べています。アメリカやヨーロッパのホテルビュッフェには、和食の『肉野菜炒め』のような料理がありません。焼いたステーキなど肉だけに偏らないよう、野菜スープやサラダを意識してとっています」と語りました。

 また、栄養バランスについては、「小学生の時に授業で習った、黄色や赤、緑のものを食べようという知識が常に頭にあった」という田中さん。大学時代は練習で疲れ切ってしまい、夕飯はコンビニエンスストアのごはんで済ませる日も多かったそうですが、「朝食や昼食を思い浮かべて、その日、食べていないものを補えるよう、選んでいた」とのこと。また、実家でも主食・主菜・汁物と小鉢という食事を摂っていたため、「1日のトータルで栄養が整うよう意識するようになりました」と、子どもの頃に得た知識や食習慣が役に立ったことについて触れていました。

 これには「小学生の頃に学んだことを覚えているなんて素晴らしい!」とMCの伊藤さん。栄養士の橋本さんも「バランスのとれた食生活を送るための実践的方法を習慣化できている。だから海外のビュッフェスタイルの食事でも、しっかり応用できているのだと思います」と感心した様子でした。

「昼を抜くこと」の影響について橋本栄養士に質問

自身の食生活について語った田中希実選手【写真:荒川祐史】
自身の食生活について語った田中希実選手【写真:荒川祐史】

 一方で、「摂取カロリーが消費カロリーを上回るのが心配で、昼を抜くことが定番に。今後、体に何か影響が出ることがありますか?」と悩みもポロリ。その質問に対し、「エネルギーの目標摂取量は、性別、競技種目、運動強度などによっても異なるけれど、エネルギーや必要な栄養素が不足することによって、疲れからの回復が遅れたり、体作りやパフォーマンスに影響を及ぼすことが心配」と橋本さん。「一度にまとまった量を食べられなければ、補食をちょこちょこ摂りながら、必要なエネルギーや栄養素を補うといいですよ」というアドバイスに、田中さんも真剣な面持ちで耳を傾けていました。

 トークセッションの後は、参加者からの質問に答えるコーナーへ。「田中さんにとっての心の栄養は何ですか?」という質問には、「やっぱり食事です」と回答。「食事は日常の彩り。街中で新しい店を発見したり、遠征先の海外でレストランを探したりするのも楽しい。食事と文化は直結しているので、どこにいても人生を楽しめるし世界も広がる。それが心の栄養となっています」と語りました。

 オンラインセミナーは約1時間で終了。最後に田中さんは、「私にとっても勉強になり、栄養の観点からも競技力を上げていきたいと思いました。皆さんも一緒に頑張りましょう!」と、参加者にメッセージを送りました。

 イベント終了後、「オンラインイベントはほぼ初めての経験。リアルタイムでたくさんの人とつながり、有意義な時間を過ごせたのがよかったです」と田中さん。「個人的にはリカバリーの観点で栄養の大切さを知れたことがよかった。タンパク質だけでなく炭水化物も意識して摂っていきたいし、試合後は疲れていても、ちゃんと栄養を摂ってから寝ることが大事だとわかりました」。

 個人競技ゆえ、1人で食事や栄養について向き合うことに不安も多かったという田中さん。「今日は一つひとつのトピックスの内容がすごく濃かった。勉強になるポイントがたくさんあってよかったです」と、最後は笑顔で会場を後にしました。

(W-ANS ACADEMY編集部)

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