「INTERVIEW / COLUMN」記事
「私も胸がないことにコンプレックスを感じた」 羨ましかった友達の可愛い服、でも今はそのままの私がいい――サッカー・仲田歩夢選手
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2023.07.15
アンダーウェア
コンディショニング
報道

――サッカーは選手同士が接触するコンタクトスポーツであり、かつ、ジャンプ、ダッシュ、ストップといった激しい動作を繰り返す競技です。思春期にバストが成長するなかで、プレー中、困った経験はありますか?
「小学生の高学年の頃、ぶつかられるとすごく痛かった、ということを覚えています。特に小学生のときは男子のチームでプレーしていたので、当たりも激しく、今でも痛みの感覚が残っているほどです。それから、ボールが当たると痛いときもあり胸トラップをすることがイヤだったときもありました。
でも、サッカーでは接触プレーを避けられません。どうにかできるものではないので、痛いけどガマンするしかない、という感じでした。
――成長期を終えてからはいかがでしょう? バストの重みや揺れが気になることはありましたか?
「あの、私、チームメートとかから『一見、すごく胸が大きそうなのに、実は全然ないよね!』と、よく言われるんです(笑)。実際、自分でもネタにしているぐらい胸が小さいので、重みや揺れに悩んだ経験はほとんどありません」
――わかりました(笑)。では逆に、もっと胸が大きくなりたいと思ったり、そのために何か努力したりしたことはありますか?
「牛乳や豆乳はよく飲んでいましたよ。子どものころから親に『牛乳を飲みなさい』と、結構言われましたし、『飲んだら背も胸も大きくなるかな~』と思っていました。私は3姉妹の末っ子なんですね。長女はスレンダーですが170センチ近く身長があり、次女は私より背が高く、胸もあるんです。結局、私がいちばん身長低いし、胸も小さいんですよ。体型って遺伝も影響すると思っていたのですが、三者三様なので不思議!」
スポーツブラのこだわり「ユニフォームのときは胸は盛るよりスッキリ見せたい!」

――今はふだん用と競技中で着けているブラジャーを分けていると思いますが、いつ頃からスポーツ時専用のブラを付け始めましたか?
「高校生になってからです。女子サッカーの強豪校に入学し、周りの選手の質がぐんと上がると、先輩や周りの選手も『サッカーをする時はスポーツブラ』というのが当たり前の環境になりました。ただ、普通のブラでもサッカーはできると思います。体型にもよりますが、私自身は『絶対にスポブラではないと運動ができない』というタイプではありません」
――ちなみに、スポブラを選ぶときに仲田さんが重視しているポイントは?
「やっぱりバストのホールド感にいちばんこだわります。選手同士でも『どのブラがいい?』という情報交換はよくしていますが、みんな、プレーへの影響ができるだけ少ないよう、いかに胸が締め付けられるかを大事にしている気がします。それから、意外とみんなが気にしているのはパッドの厚みです!」
――それは、着け心地の良さという意味でしょうか?
「見た目です。パッドに厚みがあると、ユニフォームを着たときに、どうしても胸が大きく見えるというか、ボリュームが出てしまう。それがイヤという選手が多いんです。ユニフォームのときは、胸は盛るよりスッキリ見せたい!」
――なるほど! ちょっとカッコよく見せたい。
「人それぞれですが、そもそも女子サッカー界はボーイッシュな選手も多いし、逆に胸があるほうがイヤ、という選手もいますからね。」
――ちなみに、バストケアは特にされていますか?
「特別なことはしていませんが、乾燥ケアのためにボディクリームは全身にぬっています。それと、顔に化粧水をつけたときは、ついでに胸までつけています。タレントの田中みな実さんが『おっぱいまでが顔!』とコメントしていたのを聞いたので(笑)」
――今まではサッカーに関わるお話でしたが、プライベートでバストで悩んだことはありますか? 例えばユニフォームと私服では、体の見え方が変わると思いますが……。
「そうですね、20代前半の頃は、今よりも胸が小さいことにコンプレックスを感じる瞬間はありました。理由は、当時は私のなかで、『女性らしさ=胸がある』と考えていたところがあったこと。それから、友達の間で露出の高い服が流行っていたので、『もっと胸があったら、ああいう服も着こなせるのになあ』と思うことが結構ありました。今は胸が小さいことをポジティブに受け止めるようになったので、気になりません。逆に胸がないほうが似合うような服――例えば、ちょっとタイトな洋服やTシャツを選んでいます」
かつてはコンプレックスだった胸 でも今は「今のままの自分がいいのかな」

――WEリーグの選手は、多くの人の目に触れる存在です。胸に限らず、見え方で気にされていることはありますか?
「見え方は気になります。私はいつもスポーツブラの上に直にユニフォームを着るんですね。そうすると特に夏場の練習や試合ではユニフォームが汗でびしょびしょになり、どうしてもスポーツブラのラインがバンって透けてしまう」
――ユニフォームの生地は、結構薄いですからね。
「そうなんです。もちろん、私もそれは承知のうえでインナーを着ないし、ブラ線が目立つ写真がメディアに使われることに対しても、何とも思っていません。ただ、それを見た一部の男性――ファンの方も一般の方もいますが――が、記事への書き込みやSNSなどでちょっと卑猥なコメントを投稿しているのをみると、『え!? これもエロく見えてしまうんだ……』と複雑な気持ちになります。まったくそういう狙いはないのに、性的な意味に捉えられることがもどかしい。
――SNSの投稿を止めることは難しいと思います。そんなときはどのように気持ちを対処していますか?
「もう、見なかったことにするしかないですね。ただ、人によって感覚が違ったり、捉え方にギャップがあったりするのは仕方がないとは思いますが、私たちプレーヤーと同じ感覚でいいてくれたら嬉しいな、と感じます。私たちからするとスポーツブラなんて、下着というよりも水着と同じようなもの。言ってしまえば、別にスポーツブラ姿のまま写真を撮られても、何とも思わないぐらいの感覚ですから」
――最後に、体形に悩んでいる女性たちに向けて、メッセージをお願いします。
「私も胸がないことにコンプレックスを感じた時期はありましたが、結果的にはサッカー選手としては強みになったと思いますし、体形に合う洋服を選べば気になりません。体形的にはむしろ、脚がゴツいのが悩ましいのですが(笑)、それも脚が隠せて、かつ可愛い服を探せばいいので、今のままの自分がいいのかなという考え方になりました。
自分の体は『いちばんの自分らしさ』です。みんな、それぞれに気になるところや悩みはあると思いますが、やっぱり自分自身をありのままで愛してあげることって大事だと思います。私も今の年齢になって気づき、感じていることですが、皆さんもあまり思い悩まず、自分を大切にしてほしい。それだけでも、気持ちってポジティブになれると思います」
【プロフィール】仲田 歩夢 / Ayu Nakada
1993年8月15日 生まれ、山梨・山梨市出身。WEリーグ・大宮アルディージャVENTUS所属。MF。小学1年生からサッカーを始める。中学時代は地元の女子クラブチーム、フォルトゥナSCレディースでプレー。2009年、女子サッカーの強豪・常盤木学園高に進学し、1、3年時に全国高校女子選手権で優勝。2009年から年代別日本代表に選出され、2010 U-17女子ワールドカップでは準優勝に貢献。高校卒業後、INAC神戸レオネッサに入団。2021年1月、大宮アルディージャVENTUSに移籍。
(W-ANS ACADEMY編集部)
RECOMMENDED ARTICLES
おすすめ記事
2026.07.03
「あと何キロ減らせ」は危険な言葉 専門家が説く、中高生アスリートを見守る大人の役割
コンディショニング
体重管理
食事
2026.07.03
「体重が重いから跳べない」は誤解 エネルギー不足で運動能力も低下…“無理な減量”の悪影響とは
コンディショニング
体重管理
食事
2026.07.02
「この体重でも跳べるんだ」 月経異常や骨密度低下を経験、引退後に気づいた数字に縛られない体作り――プロフィギュアスケーター・宮原知子さん
体重管理
月経
2026.07.02
五輪1年前の疲労骨折 長く続いた“謎の痛み”…医師から告げられた瞬間、冷静に受け止められた理由――プロフィギュアスケーター・宮原知子さん
コンディショニング
体重管理
2026.06.16
リカバリーで大切な“湯船に浸かる”習慣 睡眠の質を高め、疲労回復を促す3つの効果
コンディショニング
What’S New
最新記事
2026.07.03
「あと何キロ減らせ」は危険な言葉 専門家が説く、中高生アスリートを見守る大人の役割
コンディショニング
体重管理
食事
2026.07.03
「体重が重いから跳べない」は誤解 エネルギー不足で運動能力も低下…“無理な減量”の悪影響とは
コンディショニング
体重管理
食事
2026.07.02
指導者から多くのことを吸収したい! コミュニケーションで大切にしていたことは?
2026.07.02
試合前に集中力を高め、メンタルを整えたい…プレッシャーや緊張への対処方法は?
コンディショニング
2026.07.02
「この体重でも跳べるんだ」 月経異常や骨密度低下を経験、引退後に気づいた数字に縛られない体作り――プロフィギュアスケーター・宮原知子さん
体重管理
月経


