「お尻のシェイプ」でわかる体の状態 髙木菜那に怒られ食生活を改善、しっかり食べて目指す理想の姿――スピードスケート・佐藤綾乃選手【私とカラダ】
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「お尻のシェイプ」でわかる体の状態 髙木菜那に怒られ食生活を改善、しっかり食べて目指す理想の姿――スピードスケート・佐藤綾乃選手【私とカラダ】
著者:長島 恭子(W-ANS ACADEMY編集部)
写真:回里 純子
ヘア&メイク:榊 美奈子
2025.06.30
コンディショニング
食事

現役女性アスリートが様々な角度から自分のカラダと競技について語る連載「私とカラダ」。第4回は2大会連続で冬季五輪に出場し、2018年平昌の女子団体パシュートで金メダル、22年北京の同種目で銀メダルを獲得したスピードスケート日本代表の佐藤綾乃選手です。「スピードスケートの選手として、体のシェイプを重要視している」という佐藤さんに、食事で心がけていること、そして大好きな美容について伺いました。
平昌五輪の頃に悩んだ食生活、無理な制限をして失敗も

私は体のシェイプって、とても重要だと考えます。
スピードスケートの選手が着用するレーシングスーツは、体のラインがすごく出ます。それだけに、(大会シーズンに入る前の)夏場からちゃんとトレーニングを積んできた選手は、見た目にもキレがあるのですぐわかる。特に女子選手は露骨に体に現れると感じます。
自分の体で気になるのはお腹、そしてお尻のシェイプです。特にお尻はトレーニングを重ねることで、自然と形が変化する部位。体をうまく使って滑っていると、だんだんお尻の上部の筋肉が盛り上がってくるし、逆に使い方が悪いと全然上がってこない。お尻を見れば体の仕上がり具合がわかるので、その変化も見ながらトレーニングをしています。
体作りはトレーニングだけでなく、日頃の食事やケアも重要です。私たちスピードスケートの選手は、夏場にしっかり体を作り、エネルギーを蓄えておかないと、シーズン後半まで持ちません。また、大会シーズンに入ると筋肉も体力もどんどん落ちてしまうため、「ちゃんと食べる」ことをすごく大事にしています。

1日の食事で心がけているのは、本当に基本的ではありますが、和食を中心に3食をバランス良く食べること。でも、ちょうど平昌五輪の頃に、無理な制限をしたことがあるんです。
というのも、私は食べたら食べただけ、肉がついちゃう体質なんですね。それを気にして、食べる量を減らしたり、お米を食べなかったりしていました。
ところが、かえって体の巡りが悪くなり、体重が増えてしまった。体のむくみはひどいし、パワーも出なくなるしで、すごく悩みました。
大好きな洋菓子はハードな練習の翌日に食べる

その時、栄養士さんのほか、団体パシュートでチームを組んでいた髙木菜那さん(22年に引退)にも相談。菜那さんは自分でもすごく栄養のことを勉強していたのですが、「お米を食べなきゃダメだよ!」と怒られました。
以降、食生活を改善。トレーニング量と自分の体重に合った食事量を、しっかり食べるようになりました。食べても動いて消費するから変な脂肪はつかないし、食事でお腹が満たされるからお菓子も無駄に食べない。すごく良いサイクルに変わったことで体作りも成功し、次の北京五輪での良い結果につながったと感じています。
とはいえ、昔、我慢しすぎてストレスが溜まり、食欲が爆発して止まらなくなったことがあるから(笑)、大好きな甘いものも制限していません。「食べるために動く!」とポジティブに捉え、めちゃめちゃハードなトレーニングの翌日などに、大好きな洋菓子を食べています。
翌日に食べる理由は、ハードなトレーニングをこなした日は、内臓も疲れているから。砂糖や脂質を摂ると翌日まで疲れを引きずってしまい、「あぁ食べちゃった……」と後悔の気持ちも生まれます。元気が回復した翌日に食べれば、気持ち良く、美味しく食べられるし、「よし、明日も頑張ろう!」って気持ちになりますから。
可愛いネイルを見るとテンションが上がる

日々のモチベーションを高めるために大切にしていること。私にとっては、美容がその一つです。
可愛いネイルを見るとテンションが上がるし、髪の毛がキレイなだけで嬉しくなる。だから「どうしたらサラサラの髪になるかな!?」とめっちゃ調べて、パックをしたりオイルを使ってみたり、いろいろと試しています。
普段のネイルは基本、拠点にしている北海道・帯広のネイリストさんにいつもおまかせ。毎回、可愛くしてくれるので感謝です。
大会に向けて気持ちを高めたい、燃えたい時はリクエストをして、赤を使ったり、キラッキラにしたりします。冬季五輪では平昌、北京大会ともに、左手を五輪カラー、右手を金のデザインに。でも、次の五輪(26年ミラノ・コルティナ五輪)は、大会前からヨーロッパでトレーニングをするので、いつものネイリストさんにお願いできないんです。どうするか、ちょっと考えなきゃ。
好きで髪やネイルに手をかけているけれど、やっぱり人から「髪がキレイ」「ネイル可愛いね」って褒められると嬉しいし、テンションが上がります。私自身、強くてキレイな選手を見ると素敵だなって、すごく思うし、性別に関係なく、メイクをしたりキレイにしている人が好き。「強くて素敵な選手」は私の理想のアスリート像であり、目指しているゴールなんです。
勝てなくても人を感動させるレースはある

スピードスケートに感じる魅力ですか? うーん……長年やってきて、「苦しい」が「楽しい」より勝っているので「楽しい」と思うことはあまりないのですが、やっぱりいい滑りができると嬉しい。
たまにあるんです、3000メートルという距離を最後まで諦めず滑り切り、「すごくいいレースができたな」っていう時が。もちろん、加えていいタイムが出れば一番いいけれど、いいレースができた時の喜び、嬉しさは何物にも代えがたい。スケートをやってきて良かったと思う瞬間です。
それから勝てなくても、メダルを獲れなくても、人を感動させるレースってあるんですよね。スタートが悪くてもラップがグングン上がってくる姿だったり、タイムが上がらず、もがく姿だったり。スピードスケートは選手の表情や滑りに、レースに懸ける思いや心情がすごく現れる競技かな、と感じています。
時々、家族や友人が「●●さんのあのレース、感動したよ!」と言ってくれるんですね。その言葉を聞くたびに、自分もそんな滑りができる選手でありたいなと思います。
■佐藤 綾乃 / Ayano Sato
1996年12月10日生まれ、北海道厚岸郡厚岸町出身。ANA所属。小学1年生からスケートを始め、中学と高校では女子1500メートルと3000メートルで日本一に輝く。高崎健康福祉大に進学後、日本代表の女子団体追い抜き(チームパシュート)で頭角を現し、髙木菜那、髙木美帆と挑んだ18年平昌五輪で、冬季五輪日本人女子史上最年少(21歳73日)の金メダリストとなった。同じメンバーで22年北京五輪にも出場し銀メダル。今年3月の世界距離別選手権は髙木美帆、堀川桃香と組んで2位となり、来年2月のミラノ・コルティナ五輪での金メダル獲得を目指している。
(W-ANS ACADEMY編集部・長島 恭子 / Kyoko Nagashima)
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