「COLUMN」記事
夏の大敵「背中ニキビ」を防ぐ! お風呂教授が教える“洗いすぎない”入浴法&スキンケアのコツ
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2026.06.09

特集「入浴でボディ・コンディショニング」第2回・スキンケア編
2026年は千年に一度の「お風呂(026)の年」! W-ANS ACADEMYでは『お風呂教授』こと日本栄養大学特任教授の石川泰弘さんに、入浴でできる様々なコンディショニングについて聞きました。第2回は『スキンケア』。発汗量が増える夏は、背中ニキビや毛穴汚れなどが気になる季節。肌トラブルを避け、よいコンディションをキープしてくれる入浴法をお風呂教授が伝授します!
◇ ◇ ◇
実に体重の16%を占めるという人間の肌。『最大の臓器』とも言われて、多くの働きを担っています。例えば、発汗や毛細血管の収縮によって体温を一定に調節したり、「バリア機能」で紫外線や乾燥、ほこりなどから体や水分を守ったり、アレルゲン、ウィルスといった外敵の侵入をブロック。そのほかにも、痛い・熱い・冷たいなど様々な感覚を感じるなど、多くの働きを担っています。
それらの肌の機能を維持するカギは、健康的な肌を維持することがとても重要です。健康的な肌の表面には多種多様な菌が共存しています。よく「健康な腸は『善玉菌・悪玉菌・日和見菌』のバランスがよい」という話を耳にすると思います。肌も同じです。特定の菌が過剰に増殖、あるいは著しく減少すると、皮ふ常在菌のバランスが崩れ多様性が失われます。すると腸内環境と同様、免疫力が下がってしまい、肌がガサガサしたり炎症を起こしたり、吹き出物ができたりします。ですから、皮ふ常在菌のバランスを整えることはとても大切です。
気温の上昇に伴って発汗量が増えるこの時期、多発する代表的な肌トラブルが「背中ニキビ」。背中は衣類で蒸れやすく、暑い時期の運動時はまさに「温室」のような環境です。こうした過酷な環境下では、皮ふ常在菌のバランスが崩れ、アクネ菌が過剰に増殖してしまい、「背中ニキビ」ができてしまいます。また、痒みを伴う背中の湿疹はマラセチア菌という真菌(カビ)によるもの。背中ニキビとは原因菌が異なりますが、やはり「温室」のような環境により菌が過剰に増殖したことにより発症します。
そして肌を良いコンディションに整えてくれる代表的な方法が入浴です。
お風呂で肌の健康を保つポイントは、「正しく洗うこと」と「phコントロール」です。第一に体の「洗いすぎ」はNGです。皮脂汚れの50%程度は湯舟に10分浸かるだけで取れます。というのも、体が温まれば毛穴が開き、詰まった皮脂や汚れが溶けて洗い流されるためです。

逆に「肌をキレイにしなきゃ!」とタオルでゴシゴシとこすりすぎると、必要な菌や皮脂も落ちてしまいます。特にナイロンタオルでゴシゴシこすると、肌にかかる負担が大。洗った後はサッパリして気持ちがいいと思いますが、皮ふを傷つける恐れがあります。イメージでいうと削り落としてしまうイメージです。
お風呂から上がって10分程度で、肌は入浴前より乾燥した状態に
次にphコントロールです。phとは酸性・中性・アルカリ性の度合いを示します。健康的な肌は弱酸性ですが、ボディソープで体を洗うと肌は一時的にアルカリ側に傾きがち。そこで、弱酸性に戻すケアを心がけると、バリア機能が回復。アクネ菌、マラセチア菌、善玉菌といわれる表皮ブドウ球菌のバランスも整い、菌の多様性が保たれ、肌のコンディションをよい状態に保ちます。
phコントロールには、弱酸性の石鹸やボディソープの使用がおすすめ。そして肌の乾燥を抑えるには入浴後すぐに、スキンケアコスメで保湿を。肌は入浴後10分程度で、入浴前より乾燥した状態になります。保湿のタイミングは早いほどよいので、ベビーオイルのように肌が濡れていても使える保湿剤も効果的です。保湿系の入浴剤を利用すると乾燥を抑えてくれます。

さらに、入浴で体が温まれば血流もアップ。皮膚の新陳代謝にもとてもよいのです。
実は盲点となるのは、体よりも髪の洗い方。髪に付着したシャンプーやリンス、トリートメント剤をしっかり洗い流さないと、髪を伝って流れ落ち、顔や首、背中などに付着します。これが毛穴などにつまり、背中にきびや肌荒れを起こすので要注意です。
「部活後、すぐに入浴できないので汗や汚れが毛穴につまるのが心配」という質問もよくいただきますが、そこはあまり神経質にならなくても大丈夫。学校にシャワーがある場合は汗やほこりをザッと洗い流す、ない場合は水で濡らした清潔なタオルを絞り、体をぬぐえばOK。その代わり帰宅後はシャワーだけですまさず、入浴&スキンケアでお手入れしましょう。
背中ニキビを防ぎウルつや肌をキープ! 肌のコンディションを整える入浴のコツ
①湯舟に約39~40℃のお湯を張り15分程度浸かる
湯舟に39~40℃ぐらいのややぬるめのお湯を張り、10分〜15分間、全身浴を。毛穴に詰まった汚れを取るには、シャワーだけですませないことが大事!
②弱酸性の石鹸やボディシャンプーを使用
体をナイロン製のタオルでゴシゴシこすり洗いするのはNG。弱酸性の石鹸やボディソープを泡立てて、タオルで優しく洗います。
③洗髪後は液剤が残らないようしっかりと洗い流す
髪は地肌を傷つけないよう、指の腹で優しく洗います。その後シャンプーやリンス、トリートメント剤が髪に残らないよう、入念に洗い流して。
④お風呂上がりはタオルドライ&10分以内に保湿を
お風呂上がりは清潔なタオルを肌に押し当てながら水滴を取ります。この時もタオルで肌をゴシゴシこするのはNG。その後、10分以内に保湿をしましょう。
教えてくれたのは…
■石川 泰弘 / Yasuhiro Ishikawa
スポーツ健康科学博士。温泉入浴指導員。06年より㈱バスクリンで入浴剤のPRに従事。21年から日本薬科大学医療ビジネス薬学科の特任教授に、26年4月より日本栄養大学特任教授に着任。生涯学習やスポーツウエルネス、スポーツマーケティングを担当する。入浴の専門家として、国内トップアスリートをサポートするほか、小学生から社会人アスリートに向けコンディショニングとしての入浴方法や睡眠について指導。また、『お風呂教授』としてメディアや講演を通し、入浴と睡眠に関する情報を発信する。
(W-ANS ACADEMY編集部)
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