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「部活中にナプキンがずれてモレないか心配」 高校生の生理の悩みにバレーボール荒木絵里香さんも共感

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「部活中にナプキンがずれてモレないか心配」 高校生の生理の悩みにバレーボール荒木絵里香さんも共感

著者:W-ANS ACADEMY編集部

2023.12.08

コンディショニング

月経

オンラインイベントに出演した荒木絵里香さん【写真:荒川祐史】
オンラインイベントに出演した荒木絵里香さん【写真:荒川祐史】

11月14日に行われたW-ANS ACADEMYのオンラインイベントレポート

 W-ANS ACADEMYは11月14日、元スポーツ選手と読者が一緒に、様々な学びを深めるオンラインイベントを開催。スペシャルゲストに元バレーボール選手の荒木絵里香さんを招き、日本体育大学の須永美歌子教授とともに「月経(生理)とコンディショニング」について語り合いました。

「小学5年生で初潮(初経)を迎えた」という荒木さん。冒頭では荒木さん自身の中学・高校時代の生理の悩みについて触れました。

 W-ANS ACADEMYが実施した高校生の女子バレーボール部に実施したアンケート結果によると、生理の悩みで多いのは「部活動中にナプキンがずれてモレないか心配」「練習中にトイレに行きづらい」という声。それを聞いた荒木さんは「むちゃくちゃ気持ちがわかります」と共感。「私の中学時代はバレー部のユニフォームはまだブルマだった。(その形状から)ナプキンがズレたりはみ出たりすることもあり、本当に嫌だった」と当時の気持ちを吐露。また、チームスポーツなので自分がトイレに行くことで練習に穴があくことを気にして、「なかなかトイレに行けず、もれてしまったりと失敗したこともあった」と同じ悩みを抱えていたことを話しました。

 また、社会人になるまで、重い生理痛に悩んでいたとのこと。「高校、社会人と大人になるにつれて、どんどんひどくなった。発熱したり嘔吐したり、練習ができないぐらいひどく、気合と根性で痛みと戦いながらプレーしていました」

 荒木さんの体験談を聞き、「アスリートは、生理痛で休む=さぼっていると考えがちでギリギリの状態まで痛みをガマンしまう」と須永教授。「痛みをガマンしながらでは100%のパフォーマンスを発揮できません。練習や授業に集中できないなど、日常生活に支障をきたす生理の痛みは“月経困難症”という病気です。ガマンせず、早めに痛み止めを飲んでほしいし、効かない場合は、早めに病院に相談してほしい」

 その言葉に「今日まで生理痛が“病気”という感覚はなかった」と荒木さん。「社会人リーグに入団後、チームが(痛みを)問題視し、20代の男性トレーナーが付き添ってくれて初めて婦人科のクリニックにいったことが、思い出。当時は生理痛で病院に行くという発想がなかったし、婦人科って赤ちゃんを産むためのところ、というイメージがあって、私にとってすごくハードルが高いことだった」

 その後、様々な治療やピルを試した結果、自分の体に合うピルが見つかった、と荒木さん。「おかげで、痛みも落ち着き、生理周期も安定し、私の生理との闘いは終わりました。チームや母と周りのサポートもあり、よい方向に向かったので感謝しています」

 また、家族との温かいエピソードも披露。小学5年生のとき、すでに身長が170cmを超えていたという荒木さんは、初潮を迎える前から母親に「もういつ生理が来てもおかしくないんだよ」と、言われていたそうです。

「初潮を迎える前、母から生理用パンツとナプキンを入れた、すごく可愛いポーチをプレゼントされたことが嬉しかった。私は母のおかげで、生理に対してネガティブなイメージを持たなかったと感じています。つい先日、私も娘と一緒に可愛いサニタリーショーツを買いに行き、『お泊りのときは必ず持っていこうね』とポーチに入れてプレゼントしました」

 最後は、視聴する学生や指導者から寄せられた様々な質問に荒木さん、須永教授が答え、イベントは終了。イベントを振り返り、「今回、一番伝えたかったのは、生理に悩んでいたら、早めに対策をとってほしいということ」と荒木さん。

「痛いけどガマンして練習するんだ、というのは間違い。選手も自分に優しくして、体を大切にすることも大事です。私はピルという方法で改善されましたが、それぞれ、自分に合う方法を見つけてほしい。そして、私が母親やトレーナーに救ってもらったように、アスリートの近くにいる方たちが、サポートしてくださるといいかなと思います」

(W-ANS ACADEMY編集部)

Araki Erika

荒木 絵里香

バレーボール

1984年8月3日生まれ。岡山県出身。小学5年生からバレーボールを始める。成徳学園高(現・下北沢成徳高)では高校全国3冠を達成。卒業後の2003年にVリーグ・東レアローズに入団。1年目に日本代表デビューすると、2008年北京五輪に出場(5位)、2012年ロンドン五輪は主将として女子28年ぶりの銅メダル獲得に貢献。2013年に元ラグビー日本代表の四宮洋平さんと結婚し、出産を経て2014年に復帰した。2016年リオデジャネイロ五輪(5位)に続き、4大会連続出場した2021年東京五輪(予選リーグ敗退)を最後に現役引退。引退後はトヨタ車体クインシーズのチームコーディネーター、バレーボール解説者などを務めながら、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科で知見を深め2023年3月に卒業。

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