「INTERVIEW / COLUMN」記事
冷え予防につながる3つのキーワード 「エネルギー不足」と「血流の悪さ」を改善する食事とは
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2026.03.12
コンディショニング
食事

特集「冷え&免疫力対策」第2回・食事編(前編)
食事や入浴で「体を内側から温めること」は、年間を通して心がけたいコンディショニングの一つです。そこで冷えを予防し、免疫力を高める方法について、3回にわたり特集。第2回は冷えを防ぐ食事のポイントについて。公認スポーツ栄養士の橋本玲子さんに、部活動生を含むすべての女子アスリートが覚えておきたい「温めコンディショニング」のコツを伺いました!
◇ ◇ ◇
冷えを改善するには、食事や睡眠など生活習慣の見直しは欠かせません。冷えの要因を食事の側面から考えると、「エネルギー不足」と「血流の悪さ」が考えられます。そもそも食事の量が少ないと、体内で「熱」を作るためのエネルギーが不足。特にダイエットをしている人は要注意。体の熱を作るエネルギー源が足りなくなることで、冷えを感じるようになります。
また、血流が悪いと作られた『熱』を全身に運ぶ力が低下します。なかでも貧血の人は全身に酸素を十分運べないため、熱を作る力が低下。冷え性が多いと言われます。
今回は誰でも今日から実践できる、冷えを予防する食事の3つのポイントをお伝えします。ぜひ、日々の食生活に取り入れてみてください。
【1】体にとって十分なエネルギー源になるものを食べる
体を温めるためにエネルギー源になる食べ物とは何でしょう?
そう、「炭水化物」です。
スポーツをする人は、日常生活で必要なエネルギーにプラスして、運動で使われる分のエネルギーを食事から摂る必要があります。特にご飯やパン、麺類などの炭水化物は、食べてすぐ運動に使える優れたエネルギー源。逆に言うと運動でどんどん使われるため、しっかり食べないとエネルギー不足になります。安易に主食を抜くと冷えにつながるので、しっかり食べましょう。
もう一つ、食事をした後に熱を最も生み出してくれる栄養素が、たんぱく質。ご飯などの主食を食べる時に、必ずおかずを組み合わせるのが基本中の基本です。
アスリートが意識して摂りたい栄養素
【2】血液、血流を良くする
血流を良くすると、体温調節の乱れを防ぎます。そのための代表的な栄養素は「ビタミンE」です。
ビタミンEは主に、ひまわり油やサフラワー油、オリーブオイル等の植物油に含まれる栄養素。油を使った料理を食べると自然に摂れます。
また魚であれば、鮭やサバ、ブリ、野菜であれば、かぼちゃにほうれん草、ブロッコリーといった色の濃い野菜に豊富。「メインのおかずは何にしようかな?」「野菜は何を食べようかな?」と思ったら、これらを意識して選びましょう。手軽に摂るならば、アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、ご飯などにふりかけて摂れるゴマが便利です。
もう一つ、大事な栄養素が鉄。鉄は赤血球の中にあるたんぱく質、「ヘモグロビン」の材料。ヘモグロビンは酸素を運ぶために必要な物質で、血流を促し、冷えを予防するためには欠かせません。
食品で言うと、肉なら牛肉の赤身肉やレバー。魚介類ではカツオやマグロ(赤身)、サバやカキ、アサリ。野菜でしたらほうれん草や小松菜、枝豆が代表的です。
しかし、鉄はよっぽど意識しないと、食事だけでは十分な量を摂れないのも事実。そこでおすすめしたいのが、鉄を強化した食品です。ヨーグルトやチーズ、シリアル、飲料など鉄を強化した食品はスーパーやコンビニエンスストアで簡単に手に入ります。
アスリートのなかには、鉄を含むサプリ米を、お米に混ぜて食べる方もいます。自分が最も簡単に続けられる食品を見つけて、活用しましょう。
【3】体を温める食材を利用する
3つ目は、食材の力で体を温める方法です。その代表格と言えば、やはり「生姜」です。
生姜には血行を良くするジンゲロールという成分が含まれます。ジンゲロールは、加熱や乾燥をすることでショウガオールに変化。これが、体の深部をより温める働きがあります。
香りや辛味を活かすのであれば生の生姜が良いですが、チューブタイプや粉末タイプでもOK。いずれかを常にストックしておき、例えば毎日頂くお味噌汁や紅茶などに加えると良いでしょう。
最もおススメしたいのが、毎朝の『しょうが白湯』。白湯にすりおろした生姜(またはチューブや粉末のもの)を加えて朝に頂くと、代謝のスイッチが入ります。逆に夜寝る前に飲んでも、体がポカポカと温まり、寝付きが良くなります。
寒い季節になったら、魔法瓶に生姜紅茶を入れて持参。体温が上がるので、運動前に飲むとウォーミングアップの助けになりますよ。
繰り返しになりますが、冷えは一時期だけ「食べ方」を変えても改善しません。まずは規則正しく食事を取り、体のリズムを整えること。そして、冷えの改善につながる食生活を習慣にすることが一番の近道。いろいろな食品や方法から、その日に食べられるもの、食べたいものを選んで、長~く続けましょう。
(W-ANS ACADEMY編集部)
Hashimoto Reiko
橋本 玲子
管理栄養士/公認スポーツ栄養士
株式会社 Food Connection 代表取締役。サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。姉妹サイトであるスポーツ文化・育成&総合ニュースサイト『THE ANSWER』では、食のスペシャリストとしてアスリートをはじめスポーツをする方々に向けた、食と栄養に関する情報発信にも力を入れている。アメリカ栄養士会スポーツ・ヒューマンパフォーマンス栄養(SHPN)並びに、スポーツ栄養を専門とする国際的なプロ集団(PINES)のメンバーとして海外の栄養士との交流も多い。
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