「INTERVIEW / COLUMN」記事
生理前にあらわれる不調「私、もしかしてPMS?」 心と体の代表的な症状、15個のCHECKリスト
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2023.05.21
月経

「コレって大丈夫? 生理前・生理中の痛みと不調
生理前になると急に調子が悪くなることに、悩んでいませんか? 排卵日を過ぎ、生理が始まるまでの間に表れる不調を月経前症候群(PMS)といいます。PMSの症状は、気にならないほど軽い症状で済む人もいれば、勉強や部活動に集中できない、競技のパフォーマンスが落ちるほど、重い症状を抱える人もいます。PMSはどうして起こるのか、そして、ツラいときはどうやって過ごせばいいのかを、日本体育大学の須永美歌子教授に教えていただきました!
◇ ◇ ◇
生理前になると、急にイライラしたり、食欲が止まらなくなったり、頭痛やめまいなどが起きたり……。このように、ココロと体にツラい症状があらわれる場合、月経前症候群(PMS)かもしれません。
まずは、以下のチェック項目を見てください。これらの症状が生理の3~10日前からあらわれ、生理が始まるとともに消える場合、PMSの可能性があります。
【生理前にあらわれる代表的なPMSの症状】
<ココロの症状>
□イライラしやすく怒りっぽくなる
□ひどく落ち込む、うつうつ気分になる
□不安、緊張感、どうにもならないなどの感情がある
□感情コントロールできず不安定に
□批判や拒絶に対して敏感になる
□いつもより疲労感がある
□集中力が低下する
<カラダの症状>
□おなかや下腹部に膨満感がある
□手や足にむくみがある
□頭痛や頭が重い感じがある
□胸が張って痛い
□腰に痛みや重みを感じる
□ひどく眠くなる
□体重が増える
□便秘になる
みなさん、結果はいかがでしたか?
「あ、私はもしかしてPMSなのかな?」と初めて自覚された方もいるかと思います。
チームメートや監督にイライラ PMSになったときに意識してほしいこと
PMSになるはっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンの急激な変化が、脳から分泌される神経伝達物質などに影響を及ぼすためと考えられています。
残念ながらPMSの症状を魔法のように消し去る方法はありません。
でも、ココロの状態は「この原因はきっとPMSだな」と自覚するだけでも、良くなったり、コントロールできるようになったりします。
PMSは精神状態がネガティブになるのが特徴です。例えば、チームメートや指導者にイライラしたり、なんとも表現できない感情が突然、沸き上がったりします。
また、落ち込みやすくなり「調子が出ないのは自分の努力が足りない」「チームのみんなに迷惑をかけてしまう」と自分を責める気持ちが止まらなくなる場合もあります。
そうなったときは、まずは大きく深呼吸を。そして、「この気持ちは相手のせいでも自分のせいでもなく、生理前だからだ」と、自分の感情を、一歩引いたところから眺めてみてください。たったこれだけのことで、気持ちが落ち着き、感情をコントロールできるようになります。
また、PMSによる体の不調の治療には、低用量ピルが有効とされています。体の症状が、日常生活に支障をきたすほどツラい、あるいは大事な試合に影響することを避けたい場合、婦人科の医師に相談するのも一つの方法ですよ。
さて、PMSは指導者の間でも、理解が浸透していない問題があります。
生理中の症状でないことから、「コンディションが悪いのは本人のやる気がないからだ」と指導者から判断されるケースも少なくないのです。
ある女子大学生は、高校まで水泳選手として活躍していました。彼女の場合、PMSの症状が重く、生理前はいつも練習についていけなかったり、タイムが落ちたりしていたそうです。
指導者は若い男性。生理前に調子を崩すと、ただただ怒られるという指導が続いたそうですが、「PMSと言ってもわからないだろうし、言ったところで解決しないだろう」と、伝えることも諦めていたそうです。
指導者の皆さんには、女性の体の特性を理解し、コンディション低下の要因に月経が絡むこともあることを知ってほしいと感じますし、知るだけで、選手への対応の仕方も変わると思います。
また、しっかり学ばれた方も、調子が悪い選手に対し、いきなり「生理か?」「PMSか?」など断定せず、「コンディションはどうだ?」とまずはさり気なく問いかけてみてください。
選手のなかには、「男性の先生に生理の状態について言いたくないし、知ってほしいとも思わない」という意見もあります。
指導者側も辛抱強く、耳を傾けるなど、選手自身が自発的に相談できるよう、話しやすい雰囲気を作ることも大事ではないでしょうか。
(W-ANS ACADEMY編集部)
Sunaga Mikako
須永 美歌子
日本体育大学教授
日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事、日本トレーニング科学会会長。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)。
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