「INTERVIEW / COLUMN」記事
落ちない、崩れない、乾かない! 美容のプロが伝授する夏の「スポーツメイク」——特集「夏の汗対策」
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2024.07.18
メイク
コーセーのメイクアップアーティスト石井勲さんに聞く、夏メイクのポイント
汗は夏メイクの大敵! そこで、運動時に滝汗をかいても日焼け止めやメイクが落ちない方法について、アーティスティックスイミング日本代表や、世界のトップフィギュアスケーターのメイクを担当してきたコーセーのメイクアップアーティスト石井勲さんに直撃。ファンデいらずでも美肌に、そして可愛く見せるメイクのポイントまで教えていただきました!
◇ ◇ ◇
Q.運動中も日焼け止めを塗っていますが、汗でとれてしまいそうで心配! 運動時におすすめの日焼け止めの選び方、塗り方を教えてください!
A.ウォータープルーフタイプのSPF50+/PA++++をチョイス。ウェアから出る場合、首や胸元も忘れずに!
日焼け止めは汗や水に強いウォータープルーフタイプ、そして紫外線防御効果が国内最高基準値のSPF50+/PA++++のものを選ぶとよいでしょう。
日焼け止めは、時間の経過や発汗、肌をこするなどで落ちてしまいます。できれば2、3時間ごとに塗り直すと効果的です。難しい場合は、朝、学校や会社に行く前だけでなく、お昼休みや部活や運動をする前に塗り直しましょう。
また、曇りや雨の日はもちろん、室内にいても、肌は紫外線の影響を受けます。特に紫外線の強い4~9月は、毎日、日焼け対策を心がけてください。
【日焼け止めの塗り方】
①適量の日焼け止めを手のひらに取り、両頬・額・鼻・あごに広げるようにおく。
②指の腹全体を使って肌に沿わせながら、顔全体に日焼け止めを伸ばす。この時、髪の生え際、目・鼻のまわりも指の腹で丁寧に伸ばす。
毎晩丁寧に日焼け止めを洗い流すことも美肌作りに不可欠
Q.夏もキレイな肌をキープするために何をすればいい?
A.日焼け止めをこまめに塗り直すこと、そして丁寧に落とすことが肝心です!
日焼け止めで紫外線をしっかりブロックする、そして夜は丁寧に落とすことから美肌作りは始まります。
紫外線をしっかりブロックするためには、一つ前の質問にあった日焼け止めの選び方・塗り方をきちんと実践することが大事。意外と塗り忘れるのが、顔からつながる首やデコルテ。特に屋外のスポーツは地面からの反射によって、あご下や首なども日焼けしやすくなります。首元・胸元が出るウェアやユニフォームの場合、境目までしっかり塗りましょう。
そして洗顔ですが、日焼け止めは商品によってクレンジングが必要なタイプ、洗顔料だけで落ちるタイプがあります。使った日焼け止めに適した方法で洗い流しましょう。
1日の終わりの肌には日焼け止めのほか、皮脂やほこりなどが付着しています。これらが肌に残ったままだと毛穴がつまり、ニキビの原因に。毎晩、丁寧に洗い流すことを心がけてくださいね。
Q.運動中は汗だくになるので、あまりメイクはしたくありません。最低限で顔がきまる、ポイントメイクを教えてください!
A.スポーツ時も眉があると安心。メイクを楽しむならカラーラインをワンポイントに!
ちょっとお出かけする時も「とりあえず眉だけ描こうかな」とメイクしませんか? スポーツ時も同様に、眉があるだけで安心です。眉を描くだけで顔がきまりますし、ウォータープルーフタイプのものを使えば汗や水で落ちてしまう心配もありません。
スポーツ時にもお洒落を楽しみたいという方には、ウォータープルーフタイプのカラーラインがおすすめ。目尻のキワに少し入れるだけで、メイク感とテンションがアップしますよ。
1本でアイライナー、アイカラー、リップとして使える、ウォータープルーフタイプのマルチカラーペンシル。石井さんが担当するアーティスティックスイミングやフィギュアスケートの選手も使用。「汗・水に強く、水中でも落ちません」(石井さん)全22色。/コーセー
Q.逆に、運動中は避けたほうがいいメイクってありますか?
A.汗をかくシーンでは繊維入りのマスカラを使うのは避けたほうが無難です。
汗をかくシーンでは、繊維入りのマスカラは避けたほうがよいです。というのも、タオルで汗を拭く際に繊維がタオルに引っかかったり、その刺激でまつ毛を傷つけてしまったり、取れた繊維が顔に付着してしまう場合もあります。もしも、そういったマスカラを使用したい場合、タオルで肌をゴシゴシとこするのではなく、優しく抑えるようにして汗を拭きましょう。
ファンデーションをつける場合は「厚塗り」厳禁
Q.運動中、ファンデーションはつけたくない。でも、できるだけ肌をキレイに見せたい。そんな時は何を使えばいい?
A.日焼け止め効果のあるBBクリーム+キープ力のあるパウダーを重ね付け!
日焼け止め効果のある、色付きのBBクリームを使うとよいでしょう。今はメイクのキープ力がある、ウォータープルーフタイプのフェイスパウダーやフィックスミストも出ています。BBクリームの上から、これらを重ね付けするとより美肌感が出て、かつBBクリームも落ちにくくなります。よりナチュラルに仕上げたい人は、日焼け止めの上にパウダーやスプレーをつけるだけでOK。素肌をより美肌に演出できますよ。
ウォータープルーフタイプのフェイスパウダー。ベースメイクの最後になじませるだけで、メイクしたてのようなサラサラ肌が長時間持続。皮脂テカリ、皮脂崩れを防止。/コーセー
メイクの仕上げに吹きかけるだけで、汗や水、皮脂によるメイク崩れを防止するウォータープルーフタイプのフィックスミスト。蒸し暑い環境でもテカリやベタつきを防ぎ、美しい仕上がりをキープ!/コーセー
Q.逆に「運動中もファンデーションなしでは無理!」という場合、ファンデーションの選び方や塗り方のコツは?
A.運動中は「厚塗り」厳禁! ミルフィーユのように重ねて薄付きを意識。
ファンデーションをつける場合は、使用量に注意。「絶対日焼けしたくない」「肌トラブルをしっかりカバーしたい」からと、一度にたくさんの量で厚く塗りすぎてしまうと、逆に崩れやすくもなり、崩れ方がドロッと汚くなってしまいます。メイク直しも大変で、崩れた隙間から紫外線を浴びてしまうことに……。日焼け止め、ファンデーション、フェイスパウダーなど、複数のアイテムを使用する場合は、ミルフィーユのように薄い層で重ねて仕上げてください。焼きたくない時はファンデーションを厚塗りするのではなく、メイクの上からでもこまめに日焼け止めを塗り直すほうが効果的ですよ。
Q.そのほか、石井さんおすすめのスポーツメイクを教えてください!
A.好きなカラーのネイルは常に視界に入るので、テンション上げに効果的。メイクはスポーツの力になりますよ!
自分の好きな「色」をワンポイントで取り入れると、目にした瞬間、気分が上がり「よし、頑張ろう!」という気持ちを後押ししてくれます。そういった意味では、一番ネイルが取り入れやすいかもしれません。バレたくない場合はシューズに隠れるペディキュアにテンションが上がる色を塗って、こっそり自分だけ楽しむのもいいと思います。
アスリートの皆さんに話を聞くと、「メイクをすると、試合に向かう気持ちのスイッチが入る」とよく言われます。メイクにはただ見た目を美しく、可愛くするだけでなく、「前向きになる」「やる気に満ちる」というパワーがあります。ワンポイントでもいいので、ぜひメイクを楽しんで取り入れてください!
教えてくれたのは…
■石井勲 / Isao Ishii
(株)コーセー メイクアップアーティスト
メイクアップブランドのTV-CMやポスター、雑誌撮影をはじめ、国内外において様々なイベントや美容セミナーの講師も務める一方、TVやラジオ出演など幅広く活躍。また、各国のフィギュアスケート選手のメイク指導やアーティスティックスイミング日本代表のメイク監修を担当。アスリートたちからの信頼も厚い“落ちないメイク”のエキスパート。
(W-ANS ACADEMY編集部)
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