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【実践編】たかが体温、されど体温…! 「基礎体温」を測るとわかる体のコト~実際の測り方のポイントって?~

「INTERVIEW / COLUMN」記事

  

【実践編】たかが体温、されど体温…! 「基礎体温」を測るとわかる体のコト~実際の測り方のポイントって?~

著者:W-ANS ACADEMY編集部

2023.11.27

コンディショニング

月経

体温の変化をキャッチするために大事な3つのポイントとは

 皆さんは、基礎体温を測っていますか? 私たちが体調管理のために日々できる最初の小さな一歩が「体温測定」です。そこで、実践編では基礎体温の測り方を、女性アスリートのコンディショニングを専門とする、日本体育大学の須永美歌子教授に伺いました。計測は1分足らずで完了します。是非、毎朝の新たな習慣にして!

 ◇ ◇ ◇

 基礎体温は「正確に測る」ことがとても重要です。わずかな体温の変化をキャッチするための、大事なポイントは以下の3つ。

①体温は「基礎体温計」で測る
②目が覚めたら、体を動かす前に測る
③毎朝、同じ時刻に測る

 それぞれ、簡単に解説しましょう。

 まず、体温計は「基礎体温計」を使いましょう。基礎体温計は小数点以下2桁まで数値が表示されるので、月経周期(生理<月経>を軸とした体のサイクルのこと)に伴うわずかな体温の変動もわかります。

 そして、目が覚めたら、体を動かす寝たままの状態で体温を測ります。起き上がったり、飲んだり食べたりすると、正しく測定できないことがあるからです。

 また、毎日、同じ時間に計測することも大切。人は目が開いていてもつぶっていても、体は「朝だ」と感じ、時間の経過とともにどんどん体温も変化するため。休日に少しゆっくり起きたり、大学生などは授業の開始時間で起床時間が変わったりすると思いますが、測定だけは決まった時間に続けましょう。

 よくある失敗は「二度寝」。今の基礎体温計は10~20秒と短い時間で検温できますが、このわずかな時間に目をつむってしまい、「検温できなかった!」ということはよくあります。「寝落ち」が心配な方は、目覚まし時計のスヌーズ機能をセットしておくなど、事前に対策をするとよいですよ。

1か月測り続けると自分の体温の変動がわかるように…

 具体的な測定方法については、イラストを見ながら確認しましょう。

基礎体温の測り方【イラスト:きくち りえ(Softdesign)】
基礎体温の測り方【イラスト:きくち りえ(Softdesign)】

HOW TO

1.就寝時に基礎体温計を枕元にセット。朝、目が覚めたら、起き上がらずに体温計を手にとり、寝たままの体勢で検温。

2.体温計を舌の裏側のつけ根に先端をあてたら、口にくわえて測定スタート。測定後、体温を正しく記録して。

 1か月間、続けて測ると、自分の体温の変動が少しわかってきます。2か月目になると、体温をうまく測れるようになり、より正確に自分の体温変化がみえるようになります。

 最後に、基礎体温の数値のチェックポイントをのせたので、1か月目以降、体温の記録と照らし合わせながらチェックしてください。

 さて、基礎体温は体調や気温の変化によっても、多少、ブレが生じます。例えば、疲れたり、睡眠不足だったりすると高くなることはありますし、急に寒くなったり、夏ならば扇風機で体を冷やしたりすると、外気温の影響で体温が下がることもあります。ですから、1日1日の体温変化よりも、ざっくりと「高温期」と「低温期」に分かれるかどうかに着目すればOKです。

 基礎体温を測定したら、毎日、必ず記録を。体温を自動的にグラフ化してくれるアプリを活用したり、オリジナルの記録ノートを作ったりしながら、ぜひ続けてください。

記録が溜まってきたら確認! 基礎体温3つのチェックポイント

 計測に慣れてきた2か月目以降、1か月の体温の動きをチェックしましょう。見るポイントは以下の3項目。ポイントの詳細は『体温からわかる体のコト(理論編)』にあるので、合わせて読んでくださいね! 

□「低温期」と「高温期」の2相にわかれている?
□「低温期」と「高温期」は0.3℃以上の差がある?
□「高温期」は9日以上続いている?

(W-ANS ACADEMY編集部)

Sunaga Mikako

須永 美歌子

日本体育大学教授

日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事、日本トレーニング科学会会長。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)。

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