「INTERVIEW / COLUMN」記事
【理論編】たかが体温、されど体温…! 「基礎体温」を測るとわかる体のコト~生理の来る日も予測できる!~
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2023.11.20
コンディショニング
月経
毎日体温を測るだけでわかる3つのコトとは
皆さんは、基礎体温を測っていますか? 私たちが体調管理のために日々できる最初の小さな一歩が「体温測定」です。どうして測ることが必要? 測った体温はどんな視点でみればいい? 女性アスリートのコンディショニングを専門とする、日本体育大学の須永美歌子教授にお話を伺いました。
◇ ◇ ◇
【毎日体温を測るだけでわかるコト① 生理の来る日が予測できる!】
「基礎体温」とは、朝、起きてすぐに測る体温です。
女性の体は初潮(初経)を迎えると、月経周期(生理<月経>を軸とした体のサイクルのこと)に伴い、変化します。体温もその一つ。女性は排卵日を境に体温がグングン上がって「高温期」に入り、2週間ほどで今度は体温がドンドン下がり「低温期」に突入。すると、生理が始まります。

つまり、毎日、基礎体温を記録していると体温の変化から、次の生理や排卵のタイミングが予測できるようになり、「そろそろ生理が始まるな」とわかるようになります。
女性にとっての生理の困りごとの一つは、「急にきちゃった!」というハプニング。「生理用品を持ってきていない」「明日、大事な試合なのに…」と困ったり、ブルーな気持ちになったりしますし、心身の調子に影響することもあります。
基礎体温を記録しておくと、突然始まる生理に慌てることがなくなります。大事な試合や大会、あるいはテストや仕事などに重なるかどうかも事前にわかるので、しっかり準備ができますし、気持ちが楽になりますよ。
隠れている不調や病気の発見にもつながる?
【毎日体温を測るだけでわかるコト② 体とココロの調子をキャッチできる】
基礎体温を記録する習慣が身につくと、生理や排卵日を予測できるだけでなく、「イライラしやすい」「体重が増える」「お腹が痛くなる」「便秘になりやすい」など、月経周期に伴う体や心のコンディションの変化に気づけます。
変化を自覚できると例えば、「今はむくみやすい時期だな」とか「生理前で落ち込みやすいかも」など、自分の状態を冷静に観察できるので、体重が増えても「太った!」と慌てたり、落ち込みやイライラの気持ちに振り回されたりしなくなります。また、「痛み止めを準備しておこう」「体が重くなるから練習を軽めにしよう」など、不調を乗り切る対策も考えられます。
逆に、月経周期とは関係ない体調不良にも、早めに気付くことができます。

【毎日体温を測るだけでわかるコト③ 隠れている不調や病の発見につながる】
基礎体温を測り、自分の月経周期が把握できると、不正出血があってもすぐわかるようにもなります。不正出血とは、月経期間ではない時にある性器からの出血のこと。不正出血が起こる裏には思わぬ病気が潜んでいる場合があるので、注意が必要です。
また、生理はきているのに体温は横ばいの状態が続き、「低温期」と「高温期」に分かれない場合、排卵が起きていない恐れがあります。この場合、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が不足している『黄体機能不全』という病気が疑われます。
ただし、初潮を迎えてから3~4年は、月経周期が安定していないため、はっきりと二相にわかれないことは、よくあります。また、思春期や授乳期、閉経間近の女性の場合も、横ばい状態が起こりやすくなります。
基礎体温だけでは「病気か病気じゃないか」の判断はできません。「私は病気かもしれない」と思い込まず、不安があれば、まずは家族や部活の先生、保健室の先生に相談しましょう。そのうえで、早めに婦人科医に診てもらうと安心です。
記録が溜まってきたら確認! 基礎体温3つのチェックポイント
計測に慣れてきた2か月目以降、1か月の体温の動きをチェックしましょう。見るポイントは以下の3項目。基礎体温の測り方は『体温からわかる体のコト(実践編)』にあるので、合わせて読んでくださいね!
□「低温期」と「高温期」の2相にわかれている?
□「低温期」と「高温期」は0.3℃以上の差がある?
□「高温期」は9日以上続いている?
(W-ANS ACADEMY編集部)
Sunaga Mikako
須永 美歌子
日本体育大学教授
日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事、日本トレーニング科学会会長。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)。
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