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寝つけない夜に試してみよう! 良質な睡眠へ導く、就寝前におすすめの「3つのリラックス法」

「INTERVIEW / COLUMN」記事

  

寝つけない夜に試してみよう! 良質な睡眠へ導く、就寝前におすすめの「3つのリラックス法」

著者:W-ANS ACADEMY編集部

2024.10.10

コンディショニング

【写真:写真AC】
【写真:写真AC】

特集「アスリートと睡眠の質」第3回

 心身のリカバリーの土台となる睡眠。今回はオリンピックやパラリンピック選手たちも実践する、帰宅後から就寝前にできる睡眠を促す3つのリラックス法を、泉建史フィジカルトレーナーに教えていただきました。スムーズな入眠を促すうえ、使い過ぎでガチガチに固まった筋肉もほぐせて、一石二鳥です!

 ◇ ◇ ◇

 スポーツをする人にとって、睡眠は最も効率的なリカバリー法です。ぐっすり眠ることで、体は練習やトレーニングによって傷ついた細胞を再生。疲れを引きずらず、毎日、良いコンディションで運動に打ち込めます。

 良質な睡眠に導く方法はたくさんありますが、今回は就寝前に行うと効果的、かつ継続しやすい方法をお伝えします。「寝つきが悪い」「朝起きた時から疲れが残っている気がする」など気になっている方は、取り入れてみてください。

 もし、一度に劇的な変化を感じなかったとしても、焦らずに続けましょう。毎日、あるいは気になる時の「眠りの儀式」として習慣にすることが、何よりも大切です。

睡眠を促すリラックス法①:帰宅後は足裏をほぐし、就寝中の脚のつり対策を

 就寝中、脚がつる要因は主に血流の不足、水分不足、筋肉の使い過ぎと言われています。体重を支える足裏は疲れが溜まりやすいので、帰宅後は勉強中やリラックスタイムを利用し、テニスボールやゴルフボールを踏み、足裏をほぐします。また、足裏をほぐすことで、ヒラメ筋やアキレス腱の緊張もほぐれます。

トップアスリートも取り入れるリカバリー法

睡眠を促すリラックス法➁:入浴&交代浴で体に眠りのスイッチをオン!

 入浴も血流を促し、スムーズな入眠に導く方法の一つです。体温を一度グッと上げることで、その後、体温が落ちやすくなり、眠りのスイッチが入ります。

 特に疲労感が強い日は、『交代浴』もおすすめです。交代浴はトップアスリートたちが取り入れるリカバリー法の一つで、温水と冷水に交互に浸かる入浴法。血流を促すほか、神経の興奮状態を沈めたり、心身をリフレッシュさせたりします。

 交代浴は本来、バスタブを二つ使って行う入浴法ですが、ナショナルの選手たちには自宅でできる方法も指導しています。今回は誰もが行いやすい、部分的な交代浴の方法を紹介します。

【HOW TO】
①浴槽のそばに冷たい水(10~20℃前後)をたっぷり汲んだバケツを置く。脚を入れた時、なるべく広範囲を冷やせるとベターだが、足首まで浸かる洗面器でもよい。

②最初に湯船(36~40℃)に1分間つかったらお湯から上がり、バケツに脚を1分間つける。以上を7セット繰り返す。慣れるまでは30秒×3~5セットでもよい。

【イラスト:きくち りえ(softdesign)】
【イラスト:きくち りえ(softdesign)】

筋肉のこわばりをほぐして体のバランスを補正

睡眠を促すリラックス法③:ベッドに入ったら寝たままストレッチでリラックス

 寝る前に体がしっかり布団に接地できるよう、静的ストレッチで筋肉のこわばりをほぐします。ポイントはあお向けで行う点。背中やお尻を布団につけた姿勢で行うことで、脱力しやすくなり、胸や肩をしっかり伸ばすことができます。また、運動後は体の左右差が強くなる、疲労が一部に強く残る場合がありますが、ストレッチを行うと補正を促します。

 ここで紹介したストレッチのほか、あお向けでゆっくりと深呼吸するヨガのシャバーサナ(屍のポーズ)を行う選手もいます。

(1)肩のストレッチ
右腕を左側に伸ばし、左手で右肩を抱える。息を吐きながら左手で右肩を押さえつけて伸ばす。右肩に伸びを感じながら30秒キープ。逆側も同様に行う。

(2)上半身のストレッチ
両手の指を組み、手首を返しながら両腕を頭上に伸ばす。腕・背中・お腹に伸びを感じながら30秒キープ。

(3)体側のストレッチ
両腕を頭上に伸ばし、右手首を左手で掴む。息を吐きながら左手で右腕を左側に引っ張り、右の体側を伸ばす。体側に伸びを感じながら30秒キープ。逆側も同様に。

(4)腰のストレッチ
両足を揃えて膝を立てる。息を吐きながら両膝を右側に倒す。腰の右側に伸びを感じながら30秒キープ。逆側も同様に。

【写真提供:泉建史】

■泉 建史 / Takeshi Izumi

フィジカルトレーナー/フィジカルコーチ 、日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ 、ナショナルチーム・フィジカルコーディネーター、米国スポーツ医学会認定 運動生理学士 (ACSM/EP-C)。2019年、NSCAジャパン最優秀指導者賞受賞。ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設の医・科学サポートプロジェクト委員や審美系や採点系競技、アーバンスポーツをはじめ複数のスポーツ強化を歴任。プロスポーツではJRA日本中央競馬会・競馬学校・トレーニングセンター騎手実践課程フィジカル育成を担当。また、国際的な組織のNSCAジャパンのエリアディレクターとして後進の教育に力を注ぐ。ほか東大阪市のスポーツ教育アドバイザー、書籍執筆、SDGs活動など幅広く活動する。

(W-ANS ACADEMY編集部)

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