「INTERVIEW / COLUMN」記事
リカバリーで大切な“湯船に浸かる”習慣 睡眠の質を高め、疲労回復を促す3つの効果
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2026.06.16
コンディショニング

特集「入浴でボディ・コンディショニング」第3回・リカバリー編
競技に取り組む人、スポーツやトレーニングの習慣のある人にとって、疲労からの回復はコンディショニングの肝。そこで入浴で行うコンディショニング特集の3回目のテーマは『リカバリー』。『お風呂教授』こと日本栄養大学特任教授の石川泰弘さんに、リカバリー力を高める入浴方法について聞きました。
◇ ◇ ◇
気温が高くなると、「暑いからお風呂はシャワーだけで済ませてしまう」という方は意外と多いのではないでしょうか? 以前、女子大学生227名に入浴習慣について調査したところ、夏に「湯船に浸かる」と答えた人は約30%という結果が出ました。

しかし、スポーツをする人にとって「入浴」は、コンディショニングのカギを握る習慣の一つ。湯船にゆっくり浸かることで、疲労の回復を促してくれます。
まず、人間の体の疲れは「睡眠」でしか解消できません。良質な睡眠を取ることで成長ホルモンがスムーズに分泌され、細胞を修復。炎症を抑えたり、筋肉や骨の成長を促してくれたりします。また、脳も整理されるため、翌朝は頭も体もスッキリ。体も動くし、集中力も高まります。
つまり、睡眠の質を高めることは、コンディションをよい状態に整え、スポーツパフォーマンスを上げるうえで非常に大切。そして入浴は「質の良い睡眠」へと導くスイッチなのです。
実は湯船に浸かるだけで、入眠と疲労回復を促す3つの効果が期待できます。
①水圧効果で血液循環を促す
お湯に入ると水圧がかかり、血液循環を促します。すると、疲労回復に必要な栄養や酸素、ホルモンなどが血液によって全身に運ばれます。
②浮力効果で関節&筋肉がリラックス
湯船に浸かると体が軽く感じられるのは浮力が働いているから。これにより、スポーツで酷使した足首やヒザなどの関節にかかる負担が軽減。全身がリラックスします。
③温熱効果で体温をストンと落とす
入浴すると体温が一時的に上がり、その後、スムーズに熱が放散されて体温がストンと下がります。すると、眠りのスイッチが入るため、寝つきが格段に良くなります。
お風呂はただ汚れを落とすだけの場所ではありません。湯船に浸かるだけで、心身ともにリカバリーできます。「寝たのに疲れが取れない」「体が重い」という人は、ぜひ、今日から湯船に浸かってみましょう。そして、夏もシャワーだけで済まさず、毎日の入浴習慣で良いコンディションをキープしてください。
お風呂教授直伝! リカバリーを高める「入浴ハウツー」
今日から実践できる、疲労回復のためのお風呂の入り方を紹介します!
STEP1:入浴前は必ず、コップ1杯の水分補給を!
私たちは入浴中も汗をかいています。汗をかいて血液がドロドロになると循環が悪くなるため、入浴前には必ず水や麦茶、スポーツドリンクなどで水分補給をしてください。
STEP2:お湯の温度は「39〜40℃」、浸かる時間は「15分以上」
お湯の温度は、39〜40℃前後の「心地よい」と感じる温度がベスト。個人差があるので、足を入れた時に「は〜、気持ちいい」と心地よさを感じる温度がベストです。筋肉までしっかり温めるために15分は浸かりましょう。
STEP3:肩まで浸かる「全身浴」+「腹式呼吸」
水圧をしっかりかけて血液循環を促すために、肩まで浸かる全身浴がおすすめ。さらに湯船に浸かりながら、ゆったりと腹式呼吸を5〜6回行ってみてください。リラックス効果が高まります。
教えてくれたのは…
■石川 泰弘 / Yasuhiro Ishikawa
スポーツ健康科学博士。温泉入浴指導員。06年より㈱バスクリンで入浴剤のPRに従事。21年から日本薬科大学医療ビジネス薬学科の特任教授に、26年4月より日本栄養大学特任教授に着任。生涯学習やスポーツウエルネス、スポーツマーケティングを担当する。入浴の専門家として、国内トップアスリートをサポートするほか、小学生から社会人アスリートに向けコンディショニングとしての入浴方法や睡眠について指導。また、『お風呂教授』としてメディアや講演を通し、入浴と睡眠に関する情報を発信する。
(W-ANS ACADEMY編集部)
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