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試合中のミスを引きずってしまう…その場で切り替えるよい方法はある?

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試合中のミスを引きずってしまう…その場で切り替えるよい方法はある?

著者:W-ANS ACADEMY編集部

2025.12.20

コンディショニング

プロフィギュアスケーターとして活躍する鈴木明子さん【写真:本人提供、Bis F24】
プロフィギュアスケーターとして活躍する鈴木明子さん【写真:本人提供、Bis F24】

鈴木明子さん(プロフィギュアスケーター)が回答

Q.試合中のミスを引きずってしまいますが、いつもうまく立て直せません。その場で切り替える方法を教えてください。

A.私は成功も失敗も「引きずらない」ことが大事だと思っています。

 フィギュアスケートでは、例えば最初のジャンプがうまくいっても、2本目もうまくいくとは限りません。そして、ミスをしたからといって演技を止めることもできない。ですから、一つのミスにとらわれず、次の場面に意識を向けることがとても大切なのです。

 実は私もミスを引きずりがちな選手でしたが、ある時、「一つひとつ、チャプターが切り替わっていく感覚で試合に臨みなさい」と、言われたことがあります。

 ミスをしたらまず、「今の失敗は何が原因だったのか?」を冷静に判断し、「次は何に気をつければよいのか?」と頭を切り替える。そうやって場面ごとに区切って考え、次に意識を向ける。この連続です。例えばミスした瞬間、「次のジャンプで、いつもどんなことを注意されていたっけ?」と考えるだけでも、次に気持ちが切り替わり、引きずりにくくなると思います。

 もちろん、切り替える力は、本番で突然、身につくものではありません。大切なのは普段から「失敗した後、どう立て直すか」を想定し、練習を積み重ねておくこと。すると本番でミスをしても、慌てず、瞬時に、冷静な判断と切り替えができるようになると思います。

(W-ANS ACADEMY編集部)

Suzuki Akiko

鈴木 明子

フィギュアスケート

1985年3月28日生まれ。愛知県出身。6歳からスケートを始め、2000年に15歳で初出場した全日本選手権で4位に入り、脚光を浴びる。東北福祉大入学後に摂食障害を患い一時休養。2004年に復帰後は2009年の全日本選手権で2位になり、24歳で初の表彰台。2010年バンクーバー五輪8位入賞。以降、2012年世界選手権3位、2013年全日本選手権優勝などの実績を残し、2014年ソチ五輪で2大会連続8位入賞。同年の世界選手権を最後に29歳で現役引退した。現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する傍ら、全国で講演活動も行う。姉妹サイトであるスポーツ文化・育成&総合ニュースサイト『THE ANSWER』の女子とスポーツコーナーでは、スペシャリストとしてインタビュー連載やイベントに出演し、女性アスリートが抱える課題について積極的に発信している。

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