「INTERVIEW / COLUMN」記事
ずぼら女子でも心配無用! 専門家が助言、W-ANS ACADEMY流「カラダダイアリー」の書き方を紹介
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2025.01.31
コンディショニング

特集「カラダダイアリーをつけよう!」第3回、ダイアリー記入・実践編
W-ANS ACADEMYがスポーツをするすべての人に提案したい「カラダダイアリー(体日記)」習慣。体調管理ができるようになるのはもちろん、競技のパフォーマンスアップにもつながります。カラダダイアリー特集の第3回は、実践編。ノートに書く大切さを順天堂大学で女子陸上競技部を指導する鯉川なつえ教授と、産婦人科医の松田貴雄先生に聞きました。
◇ ◇ ◇
自分の体や心の調子を知ることができる「カラダダイアリー」。でも、今やタップするだけで月経周期や体組成、食事などを記録できるアプリもあるし、自動的に体のデータを記録してくれるガジェットも充実。体のことを記録するだけなら、わざわざノートに書かなくても、これらを活用すれば十分では……?
しかし、「主観的・客観的な記録を同時に残し、管理できるのが『書く』ダイアリーの良さです」と、順天堂大の鯉川なつえ教授は言います。
「例えば、私は毎日のランニングの記録をアプリに残していますが、『いつ、どこで、何分何秒で走ったか』はログで確認できるものの、天気や体調、気分、あるいはウォーミングアップの内容までは記録が残せません。
月経の記録もそう。月経周期や月経前後、月経中の体調などはアプリに記録できても、その日の練習や試合の内容や調子とリンクした情報は残せません。すると、あとで記録を振り返った時、『自分はどうして調子が悪かったのか』『あの時、どのような対処をしていたか』などに気づけません。
アプリは決められた項目に従ってタップしたり、自動的に記録されたりするのでとても便利ですが、どうしても記録に残せる内容が限られます。すると、コンディションの調整やパフォーマンスアップにつながる重要な記録が抜け落ちてしまいます」
また、「スマートフォンやスマートウォッチなど、デバイスの自動計測機能を活用するのは良いですが、その数値を『自分で書いて記録する』ことが大切」とは、産婦人科医の松田貴雄先生。
「というのも、自動的に計測・記録された数値はその場で確認はしても、振り返っては見ない傾向があります。数値を改めてダイアリーに自分で書き込むことで、一度、数値を見直すことになり、それ自体が『振り返り』になります」
「後から振り返る」ことは競技者にとってとても大切

鯉川先生も、「練習の成果を得るには、やりっぱなしで終わるのではなく、『振り返り』を行うことがとても大切」と言います。
「タップして終わりではなく、自分で手を動かして記録し、さらに書いた字を見る。良かったか悪かったかの評価ではなく、『今日やった自分の努力を肯定する思考』を働かせた上で、練習や試合の内容や感じた課題などを頭の中で整理することで、脳に定着させることができます。
カラダダイアリーは単純に体調を管理するためのものではありません。今の自分を見つめることができ、後からも振り返ることができる。それができるということが、競技をする人にとって、とても大切なんですよ」
さて、第1回、第2回の鯉川教授、松田先生のアドバイスを基に、W-ANS ACADEMYでもカラダダイアリーを作成。ずぼらちゃんでも始められるよう、振り返りは「毎日の評価を3段階、週間の評価は5段階の星でつける」「今日の自分の体や気持ち、練習や試合の内容について一言でいいので『自分の言葉で』感想を書く」を約束事としてつけてみました(写真参照)。

数値以外も自由に書けるカラダダイアリーは「まさに、世界で一つの自分仕様のコンディショニングのためのツール」と鯉川教授。『振り返りの時間を作るのが面倒』『つい後回しにしてしまい忘れてしまう』という人こそ、ぜひ始めてみて!
今回、使用したダイアリーは…

■『女性アスリートダイアリー2025』
鯉川なつえ教授が副センター長を務める、順天堂大学女性スポーツ研究センター監修の『女性アスリートダイアリー2025』。自由に書き込めるカレンダーページと体重や除脂肪体重、睡眠時間などを細かく記入できるコンディショニングページ、さらに様々な心身の基礎知識や情報が一冊に。25年1月~26年3月まで使えます! A5判96ページ¥880(税込)/大修館書店
(W-ANS ACADEMY編集部)
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