「INTERVIEW / COLUMN」記事
ヨガやランが趣味の人も必見! 痛みを予防する30代からの股関節トレーニング【実践編】
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2023.10.30
コンディショニング
怪我
フィジカルトレーナーの泉建史さんが解説
ある日突然、股関節の違和感や痛みが現れたこと、ありませんか? 実は、運動習慣のある・なしに関わらず、20代を過ぎると股関節に痛みを抱えやすくなるそうです。今回はフィジカルトレーナーの泉建史さんに、痛みを予防するための筋トレを教えていただきました!
◇ ◇ ◇
股関節の不具合や痛みの要因は様々ですが、大人の女性に多いのが“筋力の低下”。「股関節の健康を保つには、歩く、走るなどの動作を行うときも、体をしっかり支えられる筋力が必要です。ところが、人間は20代を過ぎると約1%のペースで筋肉が減少してしまいます。ですから、筋肉量を保つ、あるいは維持するために、股関節周りや下半身の筋トレが必要です」(フィジカルトレーナー・泉建史さん)
そこで、自宅で簡単にできる3種目の筋トレを紹介。筋力アップが叶うだけでなく、即効性もあり、外出前にササッと短時間でできます。
「今回紹介する筋トレは、いずれも股関節や骨盤を支えるインナーマッスルや下半身の筋肉に、効率よく刺激を入れられるのがポイントです。
筋肉は『ココの筋肉を使うよ』と刺激を入れてあげると、しっかり働いてくれます。股関節周りの筋肉がしっかり働けば、脚もスムーズに動き、傷めるリスクもグンと減ります。外出前はもちろん、ヨガやランなど、体を動かす前のルーティンにするのもおすすめです」
そのほか、自宅でのすきま時間にちょこちょこ取り入れたり、仕事で長時間、座りっぱなしだった後に行うのも効果的。
「時間のないときは外出前にフォワードランジを行うだけでも腰が安定し、股関節の動きがよくなることを実感できます。歩きや走りが楽になるだけでなく、立ち仕事の方も、股関節や腰が楽になりますよ」
股関節の痛みを予防する筋トレ3
○下半身全体の筋力をアップ「フォワードランジ」
お尻と太もものアウターマッスルを刺激。体のなかでも最も大きな筋肉群を鍛えることで、骨盤の安定を導き、股関節にかかる負担を軽減します。
1.両足を前後に大きく開き、両手は腰に添える。ひざとつま先を正面に向けて、後ろ足のかかとを床から浮かせる。
2.かかとを浮かせたまま、ひざを深く曲げて腰を落とす。この際、出来る人は両ひざが90度になるまで腰を深く落とす。その場で、ひざの曲げ伸ばしを5回。足の位置を逆にして同様に行う。慣れたら各10回行う。
動作の最中、骨盤は常に正面に向け、前側のひざが内側に倒れないように注意。ひざを曲げたときに不安定になる人は、腰を浅く沈めるところからスタート。
○股関節のインナーマッスル&お尻を刺激「レッグスイング(ウォールドリル)」
走ったり歩いたりするときに使う筋肉を刺激。膝を高く上げる動きは、股関節のインナーマッスル、大腰筋と腸骨筋を刺激。脚を後ろに伸ばす動作は、お尻の大きな筋肉、大殿筋を鍛えます。
1.壁を前にして立ち、両手のひらを壁につける。
2.骨盤を正面に向けたまま、左ひざを高く上げながら体に引き付ける。続いて、左ひざを伸ばしながら脚を後ろに伸ばす。以上を5回行った後、右脚も同様に行う。慣れたら各10回行う。
動作の最中、骨盤は常に正面を向けたまま行うこと。脚の動きにつられて、腰が反らないように注意。動きに慣れたら、両手を左右に下した体勢で行う。
〇横揺れを防ぎ安定を保つ「アブダクション(ウォールドリル)」
脚を外側に広げる動きでお尻の左右にある筋肉・中殿筋を刺激。中殿筋がきちんと働くと、骨盤の横揺れを防ぎ、股関節が安定します。台所作業の隙間時間に、キッチンのシンクに手を乗せて行うのもおすすめ。
1.壁を前にして立ち、両手のひらを壁につける。
2.骨盤を正面に向けたまま、左ひざを高く上げながら体に引き付ける。続いて、左ひざを伸ばしながら脚を後ろに伸ばす。以上を5回行った後、右脚も同様に行う。慣れたら各10回行う。
NG
脚を高く上げるのが目的ではなく、骨盤の位置を保ったまま、脚を上げることが重要。無理に脚を上げて、お尻(骨盤)が流れないよう注意。
教えてくれたのは……
■泉 建史 / Takeshi Izumi (フィジカルトレーナー/フィジカルコーチ)
日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ、ナショナルチーム・フィジカルコーディネーター、NSCAジャパン最優秀指導者賞、米国スポーツ医学会認定 運動生理学士 (ACSM/EP-C)。体操競技やプロスポーツを中心に各年代のフィジカル強化を担当。ほか、トレーニング指導者の後進育成や東大阪市でスポーツ健康教育アドバイザーとしてSDGs支援やスポーツ事業に関わるなど、多岐にわたり活動する。
(W-ANS ACADEMY編集部)
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