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入浴習慣で調子を上げよう! 冷え改善&リカバリーに最適、“温めコンディショニング”2つのポイント

「INTERVIEW / COLUMN」記事

  

入浴習慣で調子を上げよう! 冷え改善&リカバリーに最適、“温めコンディショニング”2つのポイント

著者:W-ANS ACADEMY編集部

2026.03.12

コンディショニング

【写真:写真AC】
【写真:写真AC】

特集「冷え&免疫力対策」第1回・入浴編

 食事や入浴で「体を内側から温めること」は、年間を通して心がけたいコンディショニングの一つです。そこで冷えを予防し、免疫力を高める方法について特集。第1回はコンディションを整える入浴の方法について。「温めコンディショニング」を習慣にして、1年中、調子のいいカラダをキープしよう!

 ◇ ◇ ◇

「一般的に入浴の習慣は日本やイタリア(ローマ)などの限られた国だけにある、というイメージを持たれていますが、スポーツ界は別。USOC(アメリカオリンピック・パラリンピック委員会)やAIS(オーストラリアスポーツ研究所)を始め、入浴は世界各国でリカバリーのためのメソッドに組み込まれています」

 そう語るのは、日本薬科大学で特任教授を務める、石川泰弘さん。世界のトップアスリートたちは、疲労回復、免疫力の維持、暑熱対策など、目的に合わせた入浴方法を取り入れている、と言います。

「実は『湯舟にゆっくりつかる』という、多くの日本人にとって当たり前の習慣も、スポーツをする人にとって冷えの改善やコンディションの維持に効果的です。トップアスリートを筆頭に、部活動やクラブチームでスポーツをしている人は、一般的に筋肉量が多く、運動時は筋肉の運動により、体内でどんどん熱を生み出しています。

 一方で、勝利への意識、ポジション争い等でストレスを抱えやすく、運動時以外では冷えやすい傾向にもあります。理由はストレスによって『代謝のアクセル』である甲状腺機能が低下するため。すると甲状腺ホルモンの分泌が低下し、体内で熱を作る効率が落ちてしまいます。特に女性は男性の選手と比べると筋肉量が少ないため、どうしても冷えを感じやすいのです」

 また、食事量の少ない人は断ち切ることが難しい、「冷え」のループに陥っている恐れも。

「体重・体脂肪を気にして食事量を制限している人は、エネルギー不足や栄養不足からどうしても冷えを感じやすい。体重制限のある競技の選手はどうしても減量が必要なので、エネルギーや栄養が不足しないよう、計画的に体重を落としていく必要があります」

 日々、入浴でしっかり体を温めることは、冷えの改善につながるだけでなく、リカバリーにも効果的、と石川さん。

「人間の体は睡眠時間に向かって体温が下がり睡眠モードに切り替わりますが、夜の入浴でグッと体温を上げると、その後、血管も拡張しているため熱放散が進み、ストンと体温が落ちます。すると、眠りのスイッチが入りやすくなり、寝つきや睡眠の質が良くなります。

 また、血液循環を促すことで、免疫の働きを維持するにも効果的です。結果、コンディションの維持やパフォーマンスのアップにつながります」

 強いカラダ、調子のいいカラダを維持する入浴のポイントは2つ。ぜひ、今日からでも実践して!

コンディションを整える入浴方法

【POINT①】
湯舟に浸かる時間は15分。
カラダを芯から温めよう!

「熱いお湯ではないと体が温まらない、と思う人がいますが、温めたいのは肌ではなく筋肉。ぬるめでも、長く湯舟につかることが大事」と石川さん。

「心臓から出た血液が体を一周するのにかかる時間は約1分。血液が体内をグルグルと廻るほど、体は芯から温まります。

 熱めの42度で3分間入浴した場合とぬるめの39度で15分入浴した場合とで比較すると、39度で入浴した人のほうが20~30分後も体内の温度が高く保たれた、という実験結果があります。42度のほうは入浴直後こそ表面温度では上回りますが、冷めるのも早い。だいたい、15分間の全身浴で体温が下がりにくくなります」

【POINT②】
お湯の温度は「何度か」よりも
「気持ちいいかどうか」が大事!

 お湯の温度は数字よりも自分の感覚を大事にするのが正解。

「よく『39度と41度ならどっちがいいですか?』などと聞かれますが、お風呂場の気温や体調によっても、温度の感じ方は変わります。ポイント①でお伝えしたとおり、何より大事なのはしっかり温めること。15分間、気持ち良くつかっていられる温度がベストです」

 また、気持ちいいと感じる温かさのお湯につかると、副交感神経が優位になり自然とリラックスモードに。血管が拡張し、血流も促されます。

「逆に熱すぎるとストレスを感じ、『交感神経』の働きが優位になり、血管も緊張状態に。結果、せっかくお湯につかっても甲状腺機能や血流の低下、血管の収縮を招きます」

 最後に、入浴前は水分補給を行い、脱水の予防を。水やお茶など、甘くない飲み物が適しています。「糖分を多く含む飲み物は消化・吸収に時間がかかります。糖分の多いジュースは避けてください」。

教えてくれたのは…

■石川 泰弘 / Yasuhiro Ishikawa

スポーツ健康科学博士。温泉入浴指導員。06年より㈱バスクリンで入浴剤のPRに従事。21年から日本栄養大学日本薬科大学医療ビジネス薬学科の特任教授に、26年4月より日本栄養大学特任教授に着任。生涯学習やスポーツウエルネス、スポーツマーケティングを担当する。入浴の専門家として、国内トップアスリートをサポートするほか、小学生から社会人アスリートに向けコンディショニングとしての入浴方法や睡眠について指導。また、『お風呂教授』としてメディアや講演を通し、入浴と睡眠に関する情報を発信する。

(W-ANS ACADEMY編集部)

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