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女子アスリートのコンディショニング「広く伝えていきたい」 伊藤華英さんが自身の“失敗”も踏まえ講演
著者:W-ANS ACADEMY編集部
2026.03.06
コンディショニング
月経

北京五輪での「月経に対する知識不足」を振り返る
1月31日、東京・オリンピックミュージアムにて#スポーツを止めるな/1252プロジェクトが主催する講演会が開催されました。
この講演会は生理×スポーツの教育・情報を発信する『1252プロジェクト』の一環として開催。普段、現場で女性選手を指導するコーチや栄養士、学生らが参加。一般社団法人スポーツを止めるな代表理事であり、元競泳日本代表の伊藤華英さんと、ナショナルチーム(JOC医科学強化スタッフ/日本体操協会)の泉建史フィジカルコーチが講師として登壇。選手、トレーナーの視点から女子生理に関する正しい知識と、女子アスリートのコンディショニングについて講義を行いました。
伊藤氏は自らの経験を基に、女性アスリートの身体に起こる変化や月経、ピルの使用による心身の変化について講演。次のように振り返りました。
「北京五輪(2008年)出場時、大会前に初めて中用量ピルを服用。体重は4、5キロ増え、腹圧が入らないし、メンタルも不安定になるなど、コンディションを崩したまま本番を迎えてしまった。
人生をかけた大切な大会ということで、安易にピルを服用したが、振り返ると、月経に対する知識不足や(月経周期に伴う)調子の波を自覚していなかったことがいちばんの失敗。同じ女性でも体調は一人ひとり異なる。自分のコンディションを自分の言葉で、周囲に伝える力も足りなかったと思う」
続いて、泉氏が女子選手とのコミュニケーションやコンディショニングをテーマに講演。中高生部活動でも取り入れやすいコンディションを数値化する方法について触れました。
「選手が体と対話することは、自分の言葉でコンディションを表現する力をつける第一歩になる」とスクリーニングの重要性に言及。食欲、疲労感、睡眠、痛み、運動強度など、コンディションを測るさまざまな項目をスケールによって数値化する方法を説明。「(コンディショニング作りにおいて)選手とスタッフのリレーションを大事にしている。『実は今、体がこんな調子なんです』と選手と会話をしながら表現してもらうことはとても大事」と話しました。

その後は、ACL(膝前十字靱帯)の予防エクササイズなど女子選手に適した体作りやコンディショニングについて、実技を交えながら講演。参加者たちはグループワークでお互いの悩みや課題を共有しながら、より実践的な体作りやコンディショニングの方法について学びました。
「今回はオリンピックミュージアムで開催できたので参加者のモチベーションも上がったと思います」と伊藤さん。同時に1252プロジェクトの活動も4年目を迎えましたが、未だ女性アスリートの健康問題には多くの課題があることを指摘します。
「生理に関して専門的な知識を持つ相談相手がいない状況も問題と捉えています。また、女性アスリートの指導者は7割が男性。今後は生理のことだけでなく、女性の体のバイオメカニクスや特性に特化したトレーニングなどの情報を共有することが必要です。
あわせて、選手自身のヘルスリテラシーを高めることで100%の気持ちで本番を迎えることができます。今後もこのようなイベントを通じて、女子アスリートの現状や課題について広く伝えていきたい」(伊藤さん)
一般社団法人スポーツを止めるなは、25年12月、JOC(日本オリンピック委員会)と包括連携協定を締結。今年も様々な講演やイベント等で女性アスリートの課題解決につながる啓発活動を積極的に開催していく予定です。
(W-ANS ACADEMY編集部)
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