「INTERVIEW / COLUMN」記事
緊張していてもしっかり食べよう! エネルギー補給に疲労回復…栄養士おすすめの「試合前日レシピ5選」
著者:W-ANS ACADEMY編集部
写真:荒川 祐史
2025.07.24
コンディショニング
食事

特集「ピリオダイゼーションに合わせた試合期の食事」第2回、レシピ編
今、世界のスポーツ界では「ピリオダイゼーション」(期分け)に則った食事が提唱されています。今回は試合前におすすめのレシピを、学生アスリートから日本代表選手までの栄養サポートを行う日本大学の松本恵教授に教えていただきました。練習の成果を発揮できるよう、しっかり、そして美味しく食べて試合に臨みましょう!
◇ ◇ ◇
前回、試合期の食事はエネルギー源となる炭水化物を多めに摂ること、そして飲み物だけでなく食事からも水分をしっかり摂ることが大切、という話をしました。この時期、特に「何を食べたらいいの?」と悩まれる方が多いのが、試合前の食事です。そこで今回は試合前におすすめのレシピを紹介。緊張で食欲が落ちたり、胃腸の働きが弱くなったりする試合前も食べやすく、かつエネルギー源の炭水化物や水分もしっかり摂れます。試合の前日だけでなく、疲れの溜まりやすい試合期を通しておすすめのおかずです。
今回紹介するレシピですが、「普段は家族に食事を作ってもらっている」という方も、時間のある日にぜひ一度、自分で作ってみてください。「あ、意外に簡単に作れるな」とか「このぐらいが適量なんだな」ということが、体験を持って理解できますし、「何を食べたらいいのか」も頭にしっかりインプットされます。
これから先、1人暮らしをしながら競技を続けていく方は多いと思います。一度でも二度でも自分で作る経験をしておくと、いざ、自分自身でコンディションを整えなくてはいけなくなった時も、自信を持って準備ができるようになりますよ。
高糖質のイモ類でエネルギーをチャージ
鶏ハムの低温調理(鍋使用)

アスリート食の基本、「高たんぱく低脂質」のおかずです。特に鶏肉は消化が良いので、繊細な試合期のたんぱく源として欠かせません。鶏肉をあらかじめブライン液(お水の量に対して、塩・砂糖それぞれ5%を加えたもの)につけることで、パサつきやすい鶏むね肉がジューシーにしっとり仕上がります。鶏むね肉の味付けは、バジルなどのハーブやゆず胡椒、梅肉などもおすすめです。
【材料(4人前)】
鶏むね肉……2枚
きざみ青じそ(チューブ)……5グラム
ブラックペッパー
【作り方】
[1]下準備。ブライン液(水100mlに塩5グラムと砂糖5グラムを溶かす。ともに分量外)を作り鶏むね肉と一緒にビニール袋に入れる。鶏むね肉を30分~1時間つけておく。
[2][1]の鶏むね肉をブライン液から取り出し、1枚1枚、観音開きにしてキッチンペーパーで水分をふき取り、キッチンバサミで切り込みを入れて厚みを揃える。
[3]広げた鶏むね肉の手前側に、端から端まで線を引くように青じそチューブを絞り出す。もう一枚はブラックペッパーを振りかける。
[4]刻み青じそやブラックペッパーを巻き込むようにして、できるだけすき間のないようしっかり巻いていく。できるだけきっちりと巻いていく。巻き終わったら開かないよう、1本ずつ保存袋に入れる。
[5]大きな鍋にお湯を沸かす。沸騰したら火を止めて[4]を入れ、60~90分漬けておく。時間になったら肉に調理用の温度計を刺し、温度を測る。65度になったらお湯から上げて、すぐに氷水につけてしっかり冷ます。65度まで上がらない場合は、時々、火をつけてお湯を温め直す。
[6]肉が冷めたら保存袋から取り出し、食べやすい大きさに端からカットする。皿に盛り、みじん切りしたネギを散らす。

さつまいもとにんじんのきんぴら

エネルギー源になる糖質をたっぷり摂りたい試合前日。ご飯だけでは不足になりがちなので、高糖質のイモ類を使ったおかずでチャージしましょう。さつまいもの代わりにじゃがいもで作っても美味しいです。和食らしい甘じょっぱい味つけのきんぴらは、海外遠征時の定番おかず。日本代表の選手たちにも大人気の一品です。
【材料(4人前)】
さつまいも……200グラム
にんじん……100グラム
みりん……大さじ2
唐辛子……ひとかけ
甜菜糖……大さじ1
しょうゆ……大さじ2
【作り方】
[1]さつまいもはよく洗い、皮を3分の1ほど残してピーラーなどで剥き、厚さ5~7ミリ程度の斜め切りにし、さらに棒状に細切りにして水にさらす。にんじんも皮をむき同様に切る。
[2]フライパンにごま油を熱し、香りが立ってきたら種を除いた唐辛子と[1]を合わせて炒める。
[3]さつまいもが透き通ってきたら調味料を合わせて[2]に回し入れ、炒め合わせる。
緑黄色野菜+きのこ類で疲労回復をサポート
夏野菜の焼きびたし

鮮やかな見た目が食欲をそそる野菜の焼きびたしは、緑黄色野菜+きのこ類の組み合わせがポイント。緑黄色野菜で疲労回復をサポートする抗酸化物質やビタミン類を、きのこ類で腸内環境を整えてくれる食物繊維、そして筋疲労の回復を助けるビタミンDを補います。今回使用した材料に限らず、かぼちゃやミニトマト、いんげんなどを加えると、緑黄色野菜の補給にもなります。
【材料(4人前)】
なす……2本
ピーマン……4つ
オクラ……8本
エリンギ……2房
みょうが……2本
大葉……2枚
めんつゆ……150ml
水……300ml
【作り方】
[1]深めの皿や保存容器に麺つゆをやや濃いめに水で薄め、冷やしておく。
[2]よく洗った、なすやエリンギは薄切り、ピーマンは種を取り除いて4つに切り分け、オクラは縦に半分に切り、水気をキッチンペーパーでふき取る。
[3]クッキングシートを広げた天板の上に重ならないように並べ、オーブンで230度で10分ほど加熱する(オーブントースターでもOK)。薄くサラダ油をひいたフライパンで裏表、焼いてもよい。
[4]焼き上がったら、熱いうちに[1]の調味液に漬けて、冷蔵庫で1時間ほど冷やす。食べる前に大葉やみょうがなど好みの薬味を乗せて盛り付ける。

パプリカときゅうりの春雨サラダ

水分をたっぷり含んだ春雨、きゅうり、もやしを使った副菜は、水分補給をサポートしてくれる一品。また、緑豆やえんどう豆が原材料の春雨で糖質もしっかり補えます。仕上げは酢で作ったドレッシングでさっぱり味漬け。緊張して食欲が落ちた時も食べやすいサラダです。
【材料(4人前)】
春雨……100グラム
きゅうり……1本
もやし……1袋
パプリカ……2個(赤・黄色各1個ずつ)
A
酢……大さじ2
みりん……大さじ1
醤油……大さじ2
砂糖……大さじ1
白ごま……適量
【作り方】
[1]春雨ともやしは軽く茹でておく。または、耐熱容器に水が浸るくらい入れ、600Wで2分程度レンジにかける。
[2]きゅうりとパプリカは千切りにして水気を切っておく。
[3]Aを小鍋に入れてひと煮たちさせる。または耐熱容器に入れてラップをふんわりかけ600Wで2分程度レンジにかける。(吹きこぼれないように注意)
[4]Aと材料を合わせて冷蔵庫で冷やしておく。
温かい汁物で緊張した胃腸を整えよう
石狩鍋風みそ汁

試合前の緊張した胃腸に優しい温かい汁物。メインの具材は、魚のなかでもビタミンDの含有量ナンバーワンの鮭を使用。お腹の調子を整える根菜やきのこもたっぷり入れました。鮭から十分にうまみが出ますが、出汁は好みで昆布だしやかつおだしなども工夫してみてください。バターを加えると風味がまろやかになります。
【材料(4人前)】
鮭……2切れ
じゃがいも……2個
大根……4分の1本
にんじん……1本
玉ねぎ……1玉
キャベツ……4分の1個
しいたけ……4つ
えのきだけ……2分の1房
ネギ……2分の1本
豆腐……1丁
みそ……大さじ4
顆粒和風だし……小さじ1
【作り方】
[1]じゃがいも、大根、にんじんは皮をむき半月切りにする。玉ねぎ、キャベツはざく切りにする。しいたけは軸を取り除き、5ミリ幅に切り、えのきだけは手で割く。ネギは小口切りにする。豆腐は一口大に切り、鮭は骨を丁寧に取り除いて一口大に切る。鮭は熱湯をさっとかけておくと臭みが取れます。
[2]水800ml(分量外)を鍋に入れ、じゃがいも、大根、にんじん、玉ねぎを入れて中火にかける。
[3]じゃがいもが柔らかくなったら、顆粒だしを加え、豆腐、鮭、えのきだけ、しいたけを入れる。
[4]鮭に火が通ったら、キャベツとネギを入れる。全体に火が通ったら弱火にし、みそを加えて溶かす。
教えてくれたのは…

■松本 恵 / Megumi Matsumoto
管理栄養士/公認スポーツ栄養士。日本大学文理学部体育学科教授、博士(農学)。北海道大学大学院農学研究科を修了後、スポーツ栄養の現場サポートに携わるようになる。サウスオーストラリア大学招待研究員を経て2011年より現職。同大学の柔道部、陸上競技部、トライアスロン部、体操部などの選手の栄養サポートを行うほか、オリンピックでは2021年東京大会、2024年パリ大会でサーフィン日本代表をサポート。また、日本ライフセービング協会ハイパフォーマンスチーム専門スタッフ(栄養士)として活動中。
(W-ANS ACADEMY編集部)
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